ネコ並みに食べたら飼い主は太る?! 高脂肪食でもネコのコレステロール値に影響なし

MarsJapan ウォルサム研究所
ヒトとは異なり、ネコは比較的高脂肪の食餌を摂取してもコレステロール値が上昇しないことが研究によって明らかになった。

また、ネコの1日当たりのカロリー摂取量が一定に維持されている限り、食餌に占める脂肪の割合が増えても肥満になることには影響しないことも示された。これにより、ネコがどのようにして食餌性脂肪を処理するのか理解が進むとともに、ネコとヒトとの栄養要求の差が明らかになった。

この研究はグラスゴー大学およびウォルサム研究所の研究者らが実施したもので、ヴォルサム研究所はカルカン、ウィスカス、ロイヤルカナンおよびニュートロなどのマース ペットケア製品をサポートしている。

ヒトにとって、飽和脂肪に富む食餌が血中コレステロール値の上昇につながる可能性があることは、広く知られている。ただし、ヒトに作用する物質が、ペットであるネコたちに必ずしも作用するとは限らない。健康な成ネコを対象に試験を行ったところ、食餌に含まれる飽和脂肪の割合を増やしても、ネコのコレステロール値に影響は及ばないことがわかった。

「この興味深い事実は、ネコとヒトの栄養要求がどれほど異なるのかを明らかにするものです。この試験で与えた食餌と同じ内容をヒトに摂取させれば、心血管疾患のリスク因子として知られている悪玉コレステロールが著しく増加するでしょう」とウォルサム研究所の栄養部門責任者リチャード・バタウィック博士は述べている。

また、バタウィック博士は、「今回の実験結果は、ネコは進化の過程で生理学的に脂質を処理するシステムが発達し、一般にヒトに推奨される食事よりも高タンパク・高脂肪の肉を主体とする食餌を摂取できるようになった、というこれまでの研究結果を裏付けるものです」とも述べている。

さらに、この研究では、1日当たりのカロリー摂取量が一定に維持されているのであれば、ネコの食餌に含まれる脂肪の割合を増やしても肥満が増える率は高くならないことがわかった。このことから、ネコの健康的な体重を維持するためには、脂肪だけに目を向けるのではなく、1日当たりのトータルカロリー摂取量を管理することが重要であるといえる。

ちなみに、ネコが許容できる食事の脂肪割合をヒトの1日の食餌に例えると…?(1食700kcalを目安)
朝:白身魚のフライ4個(1個60gとして)
昼:ミートパイ2個(1個90gとして)
夜:ウナギのかば焼き2匹分(1匹120gとして)

ペットの肥満が問題化している昨今だが、ネコ並みに食べたら確実に飼い主は太るということは言えそうだ。
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