「和食」や「京野菜」の魅力に触れる!…『京野菜フォーラム』が開催

ホテル椿山荘東京で開催された『京野菜フォーラム』の様子
去る1月22日、都内・ホテル椿山荘東京にて、『京野菜フォーラム』が開催された。

同イベントは、公益社団法人 京のふるさと産品協会(以下、京産品協会)が主催となり、京野菜(京都産の農林水産物)の魅力を伝えるために実施されたもの。

イベントのはじめに行われた「旬の京野菜提供店(いつでも、美味しい京野菜が食べられる飲食店)」の新規認定式では、2013年度の新規認定店として「割烹久田(港区)」、「リストランテ ペガソ(港区)」、「Wakiya一笑美茶樓(港区)」ほか計8店舗が発表された。

なお、旬の京野菜提供店の認定は、1997年から京産品協会が行っており、現在、認定を受けている店舗は、京都府内に164店、東京都特別区内24店の計188店舗ある。

認定式の終了後、フードコラムニストの門下武司氏、京都の老舗料亭「菊乃井」主人の村田吉弘氏、中華料理店「Wakiya一笑美茶樓」オーナーシェフの脇屋友詞氏、京都府立大学教授の中村考志氏の4名が登場し、トークセッションが行われた。

ユネスコの無形文化遺産に登録された「和食」や、「京料理」、「京野菜」の魅力について、4名がそれぞれの意見を述べ合う中で、特に印象に残ったのは、「菊乃井」主人である村田氏の発言だった。

村田氏は、和食が世界(ユネスコ)から認められたものの、日本の法律上では、料亭などの飲食店が風営法の対象になっており、文化として認められていないことに触れていた。

日本人のほとんどが、和食を日本の文化だと認知していても、実際に食べているものは洋食など国外の料理が多く、身に着けているものも海外品ばかりだったりと、日本で暮らす大勢の日本人が、日本独自のものと接していないように感じると、国内の現状を指摘。

今日の日本の状況を踏まえたうえで、和食が無形文化遺産に登録されたことは、法律上での飲食店の位置付けや、日常的に食べている食品への関心、食事の大切さが見直されるきっかけになるのではないかと、村田氏は語っていた。

また、中華料理店「Wakiya一笑美茶樓」オーナーシェフの脇屋氏は、自身が運営している中華料理店で京野菜を使用した中華料理を提供していることを話し、京料理だけが京野菜の活躍の場ではなく、応用が利く食材であることを紹介。

そして、京都府立大学教授の中村氏は、苦味やえぐ味が強く、食べづらいという理由で栽培されなくなった京野菜があることに触れ、その辛味成分に、殺菌やがん予防に良いとされる機能があったり、抗酸化性や低カロリー性が認められている品種があることを知ってほしいと話していた。

イベントの最後には、希望者にのみ「旬の京野菜提供店特定のお弁当」がふるまわる昼食会の時間が設けられていた。イベント参加者たちは、4店舗(京都の老舗料亭「菊乃井」・京都の日本料理・懐石料理店「たん熊」・ホテル椿山荘東京料亭「錦水」・中華料理店「Wakiya一笑美茶樓」)のお弁当の中から好みのものを選び、京野菜を使った料理を味わっていた。
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