コーヒーの飲用はどのような影響がある? 専門家が最新の研究成果を報告

コーヒーの成分について(全日本コーヒー協会サイトより)
社団法人全日本コーヒー協会は、9月19日に都内にて『第18回 コーヒーサイエンスセミナー2014』を開催した。

同イベントは、より多くの人にコーヒーへの関心や理解を深めてもらうことを目的に、コーヒーに関する研究結果を発表するために行われているもの。

18回目となる今回は、2名の専門家が「コーヒー摂取と脳卒中予測因子との相関性」に関する考えや最新の研究成果などを発表した。

1人目の専門家として登場したのは、聖路加国際大学 聖路加国際病院 脳神経外科部長の篠田正樹氏。以下では、篠田氏が講演の中で話した内容の一部を抜粋して紹介する。

■脳卒中に関連した情報
・脳卒中の種類:脳梗塞、脳出血、くも膜下出血
・脳出血の脳幹出血になりやすい人:肥満体でBMIが高い若い男性
・脳出血の脳幹出血になりやすい人:やせていてBMIが低い高齢の女性
・脳卒中、心血管の病気の発症を減らす食べ物:
 魚や果物、野菜は脳卒中の発症を減らし、豆類は心血管の病気の発症を減らす

また、篠田氏は、脳卒中の危険因子として脳小血管病(脳微小出血、無症候性脳梗塞、大脳白質病変)とコーヒー摂取の関連を調べた研究結果を発表。篠田氏の研究によれば、コーヒーを常飲する男性は、まったく飲まない男性に比べて小血管病が有意に少なく、女性では大脳白質病変が有意に少なかったという。

2人目の専門家として講演を行ったのは、東京慈愛会医科大学 分子生理学講座の講師を務めている山澤徳志子氏。山澤氏は、コーヒー摂取による脳卒中のリスクの軽減に、コーヒーに多く含まれているポリフェノール(クロロゲン酸)が寄与しているかを検証したという。

まず山澤氏は、脳梗塞の前兆と言われる「脳虚血」になると、グルタミン酸が放出されたり、一酸化窒素の産生などにより、結果として神経細胞死が起こることを説明。

そのうえで、ポリフェノール(クロロゲン酸)の投与は、グルタミン酸による細胞死を有意に抑制したが、一酸化窒素による細胞死には効果がなかったことを報告。この研究結果から、ポリフェノール(クロロゲン酸)は、一酸化窒素が産生されるまでの過程に作用している可能性が示唆されると、山澤氏は話していた。

なお、今回のセミナーを主催している全日本コーヒー協会のサイトでは、「コーヒーと健康」や「コーヒー海外事情」など、コーヒーに関するさまざまな情報をチェックできる。
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