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奨学金にマイナンバー活用か…所得連動型返還制度

所得連動返還型奨学金制度について
2015年10月14日(水) 22時00分 提供元: リセマム
所得連動返還型奨学金制度について
所得連動返還型奨学金制度について
イギリスのケース
イギリスのケース
オーストラリアのケース
オーストラリアのケース

 文部科学省は、「所得連動返還型奨学金制度」有識者会議(第1回)の配付資料を公開した。奨学金の返還に係わる不安や負担を軽減して安心して進学できる仕組みを整備し、平成29年度の進学者からマイナンバー制度を取り入れた新しい方式を目指す。

 日本学生支援機構は、平成24年度から「所得連動返還型無利子奨学金制度」を導入。対象者は無利子奨学金貸与基準を満たし、家計支持者の年収が300万円以下の者。本人の年収が300万円以下であれば返還猶予となるため、返還不安の軽減になるというメリットがある。

 しかし、債券は消滅しないため、返還期間は長期化。また、年収が300万円をわずかに超えただけで通常の返還に戻るため、急に返還負担が増す。採用時に家計支持者の年収が300万円を超えていた返還者は卒業後、本人の年収が300万円以下であっても最長10年間の返還猶予にしかならず公平性に欠けるなどのデメリットがあった。

 これらのことから、無利子奨学金については本人の所得の把握が可能になる環境整備を前提に、現在の一定額を返還する制度から卒業後の所得水準に応じて毎年の返還額を決める制度へ移行し、安心して教育を受けられる環境を整備する必要がある。

 文部科学省は、社会保障、税などの情報を管理する「マイナンバー制度」導入に合わせ、平成29年度の進学者から、より柔軟な奨学金制度「所得連動返還型奨学金制度」を導入する考え。一定の年収を上回った段階で返還を開始し、年収に応じて返還月額が変化していく。

 今後の検討方針として、所得階層に応じたきめ細かい返還月額の設定や、返還の期待ができる年齢階層を分析し債権管理コストとの費用対効果の検証などが必要。制度の公平性を確保するため、業務体制やシステム開発の状況を勘案して段階的な導入等を検討していく。

 資料では、すでに導入されているイギリスとオーストラリアの所得連動返還型の奨学金制度を表などを使って紹介。イギリスでは、年収が21,000ポンド(約378万円)を超える金額部分の9%が税務署を通じて徴収、貸与総額に達した時点で返還終了となる。オーストラリアでは課税所得に応じて決められた額が税務署を通じて徴収され、貸与総額に達した時点で返還終了となる。

 会議は、日本学生支援機構をオブザーバーに、大阪大学大学院国際公共政策研究科の赤井伸郎教授、東京大学大学総合教育研究センターの小林雅之教授などが委員として参加している。今後、新制度の論点整理・検討、骨子取りまとめを行い平成28年3月に最終取りまとめを行う予定。

《田中志実@リセマム》
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