- 炭水化物は食べないのではなく減らす食事にする
- ブドウ糖が少なくなることで脂肪の合成と蓄積が抑えられる
- 皮下脂肪が多い女性は効果が出にくい
炭水化物抜きダイエット、脱炭水化物ダイエットとも呼ばれることから、炭水化物を食べてはいけない、食べると太るという勘違いもされたが、炭水化物はすぐにエネルギーとなり重要なエネルギー源で、減らしてもよいものの、食べないと身体を傷めることにもなりかねない。
炭水化物(糖質)に含まれるブドウ糖は、血糖値を上昇させ、血糖値に応じて膵臓からインスリンが分泌される。
インスリンは肝臓で脂肪の合成と蓄積を促進するホルモンであり、血糖値を上昇させるブドウ糖をできるだけ摂らないことでインスリンの分泌を抑え、太らないようにする、というのが炭水化物抜きダイエットと説明されている。
また、炭水化物を摂らなくても、ブドウ糖が不足すると、たんぱく質がブドウ糖に合成される糖新生が起こるので、ブドウ糖が体内で欠けることはない、と説明されることがある。
しかし、糖新生は飢餓状態で起こる危機的状態を回避するための緊急措置の反応で、長く続けられるものではない。
低炭水化物の食事をすると内臓脂肪をブドウ糖に合成する作用が起こるため、内臓脂肪の蓄積が多い男性は効果が出やすいが、皮下脂肪の蓄積が多い女性では内臓脂肪が減ってから皮下脂肪が減っていくため、その効果が現れにくい。
用語の解説
- 血糖値
よくある質問
炭水化物を食べないと、どんなことが起こりますか?
炭水化物を減らすと足りないエネルギーを脂肪を分解して補うので、脂肪を早く減らすことができます。しかし、炭水化物が不足した状態が長く続くと、たんぱく質が分解されるようになるので筋肉が分解されて減るようになります。筋肉が脂肪を燃焼させるので、長く続けてよいダイエット法ではないのです。
低炭水化物食は、1日のうち、いつにするのが効果的ですか?
夕方は胃液が多く分泌されることから炭水化物(糖質)に含まれるブドウ糖が血糖値を高めやすく、血糖値の上昇によってインスリンが多く分泌されるために脂肪が多く合成され、蓄積されやすくなっています。だから、最も効果的な低炭水化物食のタイミングは夕食です。
どれくらいの炭水化物を摂ってもよいですか?
1食だけ低炭水化物にして、1日の1,600kcalの食事量だとすると炭水化物(糖質)のエネルギー摂取量は50%の800kcalが理想とされています。朝食に200kcal、昼食に300kcalで、夕食が300kcalの炭水化物のバランスだとすると、夕食で摂る炭水化物を100kcalに抑えて200kcal分を抑えるようにします。200kcalは茶碗1杯分のご飯になります。1食だけ低炭水化物にするなら1日に600kcal分、ご飯茶碗で3杯分、麺類なら2食分になります。
低炭水化物食にすれば肉は、いくら食べても大丈夫ですか?
炭水化物(糖質)を減らせば、ブドウ糖が含まれる量が少なく、たんぱく質と脂肪が多い肉類をたくさん食べても太らないとされています。しかし、糖質が1g当たり約4kcalなのに脂肪は約9kcalなので、脂肪が多い肉類を食べすぎればエネルギー摂取量が多くなるので、かえって太るようになります。ダイエット効果があるからと安心して、食べすぎるのは禁物です。
低炭水化物食にすれば、お酒は飲んでもやせられますか?
お酒に含まれるアルコールは1g当たり約7kcalあります。これはアルコール度数にして100%で、15度(20%)のワインでは1g当たり0.75kcalとなります。ワイン1ビンは500kcalほどです。ご飯なら茶碗2.5杯分にもなります。その分のご飯を減らしてもアルコールには脂肪の合成を進める作用があるので、太ってしまうようになります。
- 監修者
- 内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
- イラスト
- 日暮ろこ子