- 強い力を発揮する白筋と脂肪を燃焼させる赤筋がある
- 強い負荷がかかる集中的な運動で筋肉が強化される
- 有酸素運動で脂肪を燃焼させる筋代謝力を高めていく
脂肪を主に燃焼させるのは筋肉であるので、運動によって筋肉が増えれば、脂肪が燃焼しやすくなる。また、運動によって血行がよくなれば代謝が盛んになって体脂肪が燃焼しやすい身体とすることができる。
筋肉は、白筋と赤筋に大きく分けられる。白く見える白筋は速筋とも呼ばれ、糖質を燃焼させて強い力を短時間のうちに発揮させる筋肉で、激しい運動をすることによって筋繊維を肥大させることができる。
赤く見える赤筋は遅筋とも呼ばれ、主に脂肪を燃焼させる筋肉で、軽い負荷の運動を継続的に行うのに適した筋肉となっている。赤筋が使われることで、体脂肪を効果的に減少させることができる。
白筋を刺激して筋繊維を肥大させるためには、「高負荷×低回数」が有効で、重いダンベルを使った運動やスクワット(激しい上下動)などの運動が用いられる。
赤筋を刺激するには、「低負荷×高回数」の運動が有効で、ジョギングや体に無理がかからない適度のレジスタンス運動などがあげられる。強度としては最大反復回数の70%ほどがよく、15回以上行うのが目安となる。
筋肉が糖質や脂質をエネルギーとして燃焼させる能力のことを筋代謝力といい、これも「低負荷×高回数」の運動によって高めることができる。
用語の解説
- レジスタンス運動
よくある質問
筋肉が増えれば脂肪の燃焼量が増えるのではないですか?
筋肉を肥大させる筋肉運動をしてつけた筋肉は、それと同じ運動をしたときには大きなエネルギー量を使うことができますが、日常的に体を動かしたときには脂肪の燃焼にはつながりにくくなっています。歩くことで燃焼効率が高まるのは、有酸素運動によって刺激したことで強化された赤筋なので、歩く時間を増やすことが大切です。
赤筋と白筋がついているところは違うのですか?
身体を支えて、動かす骨格筋は約400種類あり、それぞれの骨格筋は直径が約20~100µmの筋繊維が束になってできています。筋繊維に赤筋と白筋があって、その割合が多いと見た目が赤い筋肉になります。別のところにあるのではなくて、筋繊維の束の中に赤筋と白筋が混ざって入っているのです。
赤筋と白筋は、それぞれ同じものですか?
赤筋は収縮が遅いので遅筋、白筋は収縮が早いので速筋と呼ばれています。遅筋はSO繊維となっていますが、速筋には早く収縮するものの疲労しやすくて持久能力が低いFG繊維(速筋繊維)と、疲労しにくいFOG繊維(中間筋繊維)があります。FOG繊維はFO繊維とSO繊維の中間的な特性を持っています。SO繊維はウォーキングやジョギングで、FG繊維は短距離走や筋肉運動で強く、太くすることができます。FOG繊維は最大酸素摂取量の40~75%の負荷を90秒ほど持続することで強化することができます。
年齢が進むと落ちていくのは、どちらの筋肉ですか?
赤筋は日常生活を続けていれば落ちにくいのですが、白筋は筋肉運動をしないと減っていきます。若いときには素早く動き、重い物を持つなど筋肉を使う機会も多くなっていますが、その機会が減っていくと白筋は減っていきます。赤筋は減りにくく、赤筋がエネルギーを多く使うので、歩いたり日常的な行動の機会は減らさないようにすることが代謝を下げないためには大切です。
- 監修者
- 内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
- イラスト
- 日暮ろこ子