運動なしで食事を減らすダイエットはリバウンドの元

運動なしで体重を減らすとリバウンドしやすい
この記事の概要
  • 食事を減らしただけではダイエット効果が得にくい
  • 運動をしないでやせると筋肉量が減っていく
  • 前よりも太りやすい体質になるのがリバウンド

食事で摂取するエネルギー量と運動で消費するエネルギー量は、同じ単位で示されるため、「運動をしたくないから、それに相当する食べ物を減らそう」という発想をしがちだ。

10分間で1kmを歩くウォーキングで100kcalのエネルギー消費があったとすると、これに相当する食事量は、ご飯が茶碗に半分で100kcalとなる。運動をしなくても、食事量を減らせば、脂肪細胞に蓄えられている体脂肪が分解されて不足した分のエネルギーとして使われるために、確かに体脂肪の量を減らすことができる。

しかし、食事を減らすだけで運動をせずに体重が減ったとすると、体脂肪だけでなく筋肉も落ちていくことになる。筋肉は動かすことによって、その量が保たれているので、身体を動かさなければ筋肉量は徐々に減っていくことになる。

食事量を減らすだけで運動をせずに体重が1kg減ったとすると、個人差はあるものの、一般には体脂肪が3に対して筋肉が1ほどの割合で減っている。そして、食事を減らすダイエット法が続かずに、食べる量を戻すことで体重が1kg増えて、元の体重に戻ったとすると、増えているのは体脂肪だけである。

このように太りやすく、やせにくい状態になることをリバウンドという。

用語の解説

リバウンド

リバウンド(rebound)は、跳ね返りのこと。ダイエットにおいては、いったん減った体重が元に戻ることを一般には指しているが、体重が戻ったときに筋肉が減って、体脂肪率が増え、基礎代謝が低下して、運動をしてもやせにくくなることをいう。リバウンドを起こさないためには運動を加えたダイエット方法が大切になる。

よくある質問

運動をせずに食事を減らすだけのダイエットは必ずリバウンドしますか?

食事を少し減らすだけで、日常生活で体を動かす時間を増やすことで1か月500gほど体重が減る程度のダイエットなら、体脂肪の減少に対して日常生活が適度な運動になっているので、リバウンドは起こりにくくなっています。これ以上に体脂肪を減らすときには運動なしでは脂肪の減少にブレーキがかかり、体脂肪が増えやすくもなるので、やはり運動は取り入れたいものです。

リバウンドを繰り返していると、どんどん脂肪が増えていきますか?

リバウンドをすると体脂肪の量が増えて、やせにくい身体になるので、何度も繰り返していたら体脂肪の量が増えていくようになります。食事を減らすだけのダイエットは深みにはまって、代謝が低下したら運動をしても、なかなか脂肪が燃焼しなくなってしまいます。それだけに、代謝を低下させるようなダイエット法は避けたいものです。

前に食事を減らすだけでダイエットに成功して、リバウンドしていない人なら、運動をしなくても大丈夫ですか?

リバウンドをしなかったのは、もともと代謝が高くて、体脂肪が増えにくかったからです。しかし、年齢を重ねていくと基礎代謝が低下して、酸素供給量も低下していくので、どうしても脂肪が燃焼しにくくなっていきます。そのため、年齢が進むほど運動をしないとリバウンドしやすくなります。

筋肉を落とさないための運動は、何をすればよいですか?

筋肉を落とさずに基礎代謝をキープすることが目的のときには、日常的な活動だけでも有効です。階段を昇ると下半身の筋肉に大きな負荷がかかり、普通に歩いているときに比べると3倍ほどの運動量になります。階段昇りは階段を降りるのに比べると2倍ほどの運動量になります。

階段は駆け上ったほうが筋肉の負荷がかかるようになりますか?

勢いよく階段を昇ったほうが心臓の負荷は高まるものの、勢いをつけた運動になるので、思ったよりも筋肉の負荷は高くはありません。むしろ、一歩一歩踏みしめるように、ゆっくりと階段を昇ったほうが筋肉の負荷は高くなり、筋肉をつけられるようになります。

食事の量を大きく減らしたときには、運動量も増やさないといけないですか?

食事の量を減らしたのに、さらに運動量を増やすのは、空腹を感じながらダイエットに取り組んでいる人にとってはつらいものです。同じ運動をしても筋肉を刺激して、筋肉を落とさないようにする、むしろ増やすようにする運動をしたいものです。最も効果があるのは、走るのも階段の昇り降りも、ゆっくりと行うスロートレーニングの手法です。

監修者
内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
イラスト
日暮ろこ子
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次