- 脂肪を減らさずに筋肉をつけたい人には夕食後の運動が効果的
- 夕食後の運動は身体の負荷が少ないウォーキングが適している
- 歩幅を広げたウォーキングで下半身と体幹の筋肉が鍛えられる
食前の運動には血糖値を抑えて脂肪の合成を減らす効果があるが、食後の運動には脂肪の合成を減らさずに筋肉をつけていく効果がある。
体脂肪が多くない人の場合には、運動をしても脂肪の量は減らしたくはないので、そんな場合にはインスリンが分泌されて脂肪が合成された後に運動をすることがすすめられている。特に効果があるのは夕食後30分を過ぎてからの運動で、夕方からは副交感神経が盛んに働くようになっているため、膵臓からインスリンが多く分泌されるようになる。
運動の種類としては、筋肉を強く刺激する無酸素運動よりも、ウォーキングなどの有酸素運動が効果的。ウォーキングは筋肉をつける効果は低いと思われがちだが、一般の人は上半身の筋肉よりも下半身の脚部と臀部の筋肉の割合が高く、歩幅を広げて勢いよく歩くと、体幹筋を刺激して交感神経の働きを盛んにすることができる。
用語の解説
- 体幹筋
よくある質問
体脂肪を増やしたい人は食事のあとに運動をしないで休んでいればよいのではないですか?
食べたあとに動かなければ血糖値が下がりにくく、インスリンが多く分泌されて脂肪の合成が進んでいきます、しかし、これでは筋肉の割合が下がってしまうので、インスリンが分泌されたあとに軽く運動をすることをすすめています。
筋肉を落とさずに適度に脂肪を増やすのに適した方法はありますか?
持久系のスポーツにはエネルギー源になる脂肪を蓄えておくことも必要です。脂肪だけを増やすなら食べる量を増やして、運動をしなければいいわけですが、筋肉は減らさずに脂肪をつけるとしたら、インスリンが分泌されて脂肪の合成が始まったあとに運動をすればよいわけです。だから、食事をして30分ほどしてから運動をすることがすすめられます。
食事を始めて30分後に運動をしなければなりませんか?
食事を始めてから30分後は一番身体を休めたい時間です。この時間に運動をするのは、きついという人も少なくないはずです。運動をするのは自律神経を副交感神経から交感神経に切り換えるのが目的で、副交感神経によってインスリンが多く分泌されるのは食事を始めてから1時間ほどまでです。30分後から徐々に減ってはいくものの、食後の運動の効果が得られないわけではありません。
食後に有酸素運動をすると体脂肪が減ってしまいませんか?
食後には血液中には食事で摂った脂肪が多く含まれていて、さらに肝臓で合成された中性脂肪のうち脂肪細胞に取り込まれなかった分も流れています。この状態で有酸素運動をすると血液中の脂肪が先にエネルギーとして使われるので、体脂肪の分解まで進みません。だから、食後の運動によって脂肪をつけたい場合には、筋肉を強く刺激する無酸素運動だけでなく、下半身の筋肉を大きく使うランニングや勢いのよいウォーキングといった有酸素運動が適しています。
- 監修者
- 内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
- イラスト
- 日暮ろこ子