日本人の3割は、運動しても脂肪が燃焼しにくい!?

日本人の30パーセントは痩せにくい
この記事の概要
  • 日本人はβ3アドレナリン受容体の働きがよくない
  • アドレナリン反応が低い人は運動をしても効果が出にくい
  • 血液中の脂肪酸が増えないと脂肪を好むようになる

脂肪細胞には、アドレナリンに反応するβ3アドレナリン受容体という部位があり、アドレナリンの刺激をβ3アドレナリン受容体が受けることによって体脂肪の分解が進んでいく。

しかし、日本人はβ3アドレナリン受容体の反応がよくない遺伝子を持つ人が30%ほどもおり、運動をしても体脂肪が分解しにくく、血液中への脂肪酸の放出も少なく、脂肪を燃焼する筋肉細胞に運ばれる脂肪酸も少なくなる。そのため、運動による体脂肪減少の効果が現れにくいだけでなく、食欲が盛んになるということも起こりやすい。

アドレナリン反応がよくない体質の人が運動をすると、血液中の脂肪酸がエネルギーとして使われたあとに脂肪酸が補われないために、血液中で脂肪酸が不足した状態となる。そのために、脂肪をおいしく感じるようになり、食欲が増して中性脂肪を補給するようになる。

アドレナリン反応がよくない体質の人は、運動をしても体脂肪が減りにくく、脂肪が多く含まれる食事を好むことから、ダイエットへの意欲がないように思われがちである。しかし、これはβ3アドレナリン受容体の反応の問題であり、ダイエットに取り組むときには、こういったことを配慮して、実施する必要がある。

用語の解説

アドレナリン反応

アドレナリンが分泌されたときに、それに反応して起こる体内の作用のこと。ストレスを感じたときに起こる高血圧、高血糖などもアドレナリン反応の一つ。

よくある質問

β3アドレナリン受容体の反応がよくない人は運動をしてもダイエット効果がないのですか?

アドレナリンが分泌された割には脂肪の分解が少ないということで、運動をしても脂肪が分解されない、脂肪が燃焼しない、ということではありません。β3アドレナリン受容体の反応がよくない人は、アドレナリンが多く分泌されても効果が低いということですが、日常的に身体を動かしているときにもアドレナリンを使って分解は進んでいるので、歩いたり階段を昇ったりといった日常の行動で脂肪を分解させることを考えたいものです。

運動をしてもやせないのは遺伝子だけのせいですか?

運動をしても脂肪が分解されにくい人であっても、日常的な生活でも脂肪は分解されています。分解された脂肪が燃焼されれば、脂肪の分解も進んでいくので、運動をしてもやせにくいからといって、運動をしないのではなく運動は必要です。分解しにくいことを意識して、日常的な運動量を増やすことで、遺伝子の弱点を克服していくことはできます。

脂肪が分解されにくい人でも空腹を感じにくくする方法はありますか?

脂肪が分解されにくいと、血液中の脂肪が減って、そのために脂肪をおいしく感じるようになり、脂肪が含まれた食べ物を多く食べるようになります。空腹感は脂肪の不足よりも、ブドウ糖の不足のほうが感じやすいので、運動をしたあとに糖分を少し補うのがよい方法です。

体質の改善をして遺伝子の影響を変えることはできますか?

遺伝子は生まれついてもっているもので、一生涯変わることはありません。しかし、遺伝子のタイプがわかれば、それに合ったダイエット法ができます。遺伝子によって太りやすいといっても、全員が太っているわけではありません。太った人は、それなりの理由があるので、それを改善すればよいわけです。

監修者
内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
イラスト
日暮ろこ子
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