夕食後、睡眠までに3時間以上あけるべき理由とは?

夕食から睡眠までは3時間あけよう
この記事の概要
  • 夕方以降は副交感神経が盛んになってインスリンが多く分泌される
  • インスリンが増えるほど合成される脂肪が増えていく
  • ブドウ糖が多い食事量ほどインスリンの分泌量が増える

脂肪を脂肪細胞に蓄積するホルモンであるインスリンは、時間帯によって分泌量が変化していて、自律神経の副交感神経が盛んに働いている時間帯には膵臓から多く分泌される。インスリンが多く分泌されるほど、肝臓での脂肪の合成が増進して、脂肪細胞に蓄積される脂肪の量も増加する。

副交感神経は夕方から寝ている間の時間帯に盛んになっている。そのため、夕食時と、それ以降の睡眠までの時間にエネルギー源の糖質、脂質、たんぱく質を多く摂ると、肝臓での脂肪の合成量を増やし、体脂肪の蓄積を過剰にさせることになる。

夕食のあと、睡眠までに3時間以上の時間があればインスリンの分泌量が低下し、安定した状態で睡眠することになるため、体脂肪の蓄積を抑えることができる。ところが、夕食から就寝までの時間が短いとインスリン濃度が高いまま睡眠することになるので、脂肪の合成と蓄積が促進されることになる。

インスリン濃度は食事量が多く、糖質の中に含まれているブドウ糖が多いほど血糖値が上昇して、インスリンの分泌量も増えていく。インスリン濃度を低めに抑えるためには、夕食で食べる量を減らし、夕食以降は食べないようにすることが基本となる。

用語の解説

インスリン濃度

血液中のインスリンの濃度のことで、膵臓から分泌されるインスリンの量を示している。健康な人は血糖値の上昇に応じてインスリンが分泌されるが、糖尿病の人や血糖値が高めの糖尿病予備群の人はインスリンの濃度が一定していない。インスリンは脂肪を合成を促進するので、インスリン濃度が高まりやすい人は太りやすいといえる。

よくある質問

寝る前に甘いものを摂るとインスリン濃度が高まって太りやすい人は、どうすればよいですか?

インスリンの分泌量が増えるのはブドウ糖が含まれたものを食べるからです。空腹感を感じなくさせるにはブドウ糖が含まれたものを食べるだけでなく、甘いものを食べて胃の中を少しでも落ち着かせることです。そのためにはブドウ糖の量が少なく、インスリンに影響を与えない果糖が多く含まれたドライフルーツを食べるのが、おすすめです。

夕食のあとに興奮するようなことをすれば交感神経の働きが盛んになって、太りにくくなりますか?

興奮した状態で食事をするとインスリンの分泌量が減って、脂肪の合成と蓄積が抑えられるのは確かですが、興奮状態が続いたら眠りにくくなり、睡眠も浅くなってしまいがちです。寝る時間までパソコンをやったり、激しい音楽を聞いたり、踊ったりということをしていると睡眠に影響が出るので、夕食前の軽い運動や入浴温度を高めにするといったことで食事のときだけに影響を与えるようにしたいものです。

寝る前に血糖値が高まりやすいものを食べてしまったときは、どうすればよいですか?

血糖値が上がり始めてからでは抑えるのは難しいので、食べたすぐあとにキノコや海藻などの水溶性食物繊維が含まれたものを食べることで、血糖値の上昇が抑えられます。血糖値を抑える一番の方法は筋肉運動ですが、寝る前には無理だと思います。血糖値が上がりやすいものを食べたら、就寝の時間は遅くなっても、起きている時間を長めにしてブドウ糖が燃焼しやすいように室内で身体を動かすようにします。

空腹を抑えるには、どんなものを、どれくらいまでなら食べてもよいですか?

脳の満腹中枢が働くだけのブドウ糖が補われても、30分ほどでエネルギーとなって、血液中のブドウ糖の量は安定してくれば空腹を抑えつつも太りにくくなります。そのための食べる量ですが、チョコレートなら一かけら、クッキーなら1個程度です。砂糖が含まれたものは血糖値が早く上昇するので、エネルギー量が少なめにあっても満腹中枢が働いて、空腹を我慢しやすくなります。

監修者
内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
イラスト
日暮ろこ子
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