2種類の食物繊維で便通を促進!

便秘予防に水溶性食物繊維
この記事の概要
  • 水溶性食物繊維は胃で膨らんで満腹感を得やすくさせる
  • 水溶性食物繊維には便を軟らかくする作用がある
  • 不溶性食物繊維は摂りすぎると便を硬くする

ブドウ糖が胃から小腸に早く運ばれると血糖値が急に上昇するようになるが、粘性のある水溶性食物繊維があるとブドウ糖が小腸に運ばれるまでに時間がかかり、血糖値の上昇を抑えることができる。また、粘性のある水溶性食物繊維はブドウ糖の一部を吸着して吸収されなくすることでも血糖値の上昇が阻害される。

水溶性食物繊維は水分を吸収して膨らみ、満腹感が得やすいというダイエット効果がある。果物に多く含まれる水溶性食物繊維のペクチンは、特に便を軟らかくする作用があり、便通を促進してくれる。

水に溶けないタイプの不溶性食物繊維は、腸壁を刺激することから一般には便秘の予防・解消の効果があるが、不溶性食物繊維には便を硬くする作用もあり、多く摂りすぎることによって便秘になることもある。

食物繊維は、ミネラルの鉄やカルシウム、亜鉛などの吸収を妨げることもある。そのため、ミネラルが多く含まれる食品を摂るようにする。これらのミネラルは玄米や胚芽米、果物に多く含まれている。果物の中でもプルーンやレーズンなどのドライフルーツには水溶性食物繊維は特に多く含まれる。

用語の解説

ペクチン

植物に含まれる多糖類で、果物のジャムがゲル化しているのはペクチンの作用。消化酵素では分解されないため、食物繊維として整腸作用、中性脂肪やコレステロールの低下作用などの効果がある。

よくある質問

水溶性食物繊維が最も多い食品は何ですか?

水溶性食物繊維は、エシャロット、にんにく、ゆずの皮、ゆりね、ごま、納豆などに多く含まれています。水溶性食物繊維が多く含まれていても、たくさんの量を食べることができないのでは仕方がありません。そこで適度に含まれていても食べやすい、さつまいも、大豆などの豆類、しいたけがおすすめです。

不溶性食物繊維が多い食品を食べて便が少し硬くなっても便通が解消されればよいのではないですか?

普通の便の状態の人ならよいのですが、硬めの人は食べる量によっては硬くなりすぎて出にくくなることあります。便秘の人が不溶性食物繊維を多く摂ったために、詰まってしまい、腸閉塞になる例もあるので、不溶性食物繊維が多く含まれた食品を急に増やすようなことは気をつけるべきです。

水溶性食物繊維を多く摂ると軟便になってしまいませんか?

かなり軟便の人や下痢ぎみの人の場合には水溶性食物繊維を多く摂ることで状態が悪くなることがあります。それ以外の人は多く摂っても軟便になるようなことはなく、軟らかめになって便通がよくなります。軟便になるのは飲酒やストレスによって大腸からの水分吸収が悪くなるために便の水分が多くなるほうが強く影響しています。

不溶性食物繊維と水溶性食物繊維では、どちらがミネラルの吸収が減ってしまいますか?

水溶性食物繊維は水を吸って膨らんで、胃の中でブドウ糖や脂肪の一部を吸着しますが、ミネラルも吸着します。不溶性食物繊維は、その消化のために消化液が使われるので、食品の中に含まれるミネラルの分解が遅くなります。両方とも摂りすぎはミネラル不足になりますが、より吸収が減るのは水溶性食物繊維のほうです。

監修者
内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
イラスト
日暮ろこ子
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