- ブドウ糖の吸収を遅らせることで血糖値の上昇が抑えられる
- 難消化デキストリンはブドウ糖をゆっくりと小腸まで運ぶ
- 小腸からのブドウ糖の吸収を阻害するギムネマ
ブドウ糖が胃から小腸に早く運ばれると血糖値が早く上昇して、血糖値も高くなりやすい。ブドウ糖の吸収を遅らせることが血糖値の上昇を抑えるための一つの方法で、粘性のある水溶性食物繊維が胃の中にあるとブドウ糖が小腸に運ばれるまでに時間がかかり、血糖値の上昇を抑えることができる。
また、水溶性食物繊維はブドウ糖の一部を吸着する作用があり、これによって吸収されるブドウ糖が減るようになるので、これも血糖値の上昇を抑えることになる。この働きをしているサプリメントの中でも特に注目されているのは特定保健用食品(トクホ)にも使われている“難消化性デキストリン”。
小腸からブドウ糖が吸収されるときには、腸壁にある酵素が作用しているが、その酵素と結びつくことでブドウ糖の吸収を阻害するのがギムネマ(ギムネマ・シルベスタ)の葉。ギムネマの葉に含まれるギムネマ酸には、舌の表面にある甘味を感じる味蕾の感受性を低下させる作用がある。
甘いものをおいしく感じにくくさせるため、食欲が低下する働きもある。それによってブドウ糖が多く含まれる糖質(ご飯、パン、麺類、砂糖など)を減らすことができるので、結果としてブドウ糖の摂取が減り、血糖値を低めに抑えることができるようになる。
用語の解説
- 難消化性デキストリン
よくある質問
ブドウ糖の吸収を遅くするサプリメントを摂れば、同じ食事の量でも太りにくくなりますか?
血糖値が上昇したときに分泌されるインスリンには肝臓での脂肪の合成を進め、脂肪細胞への蓄積を進めていく作用があります。ブドウ糖の吸収を遅くして、血糖値の上昇を抑えるサプリメントを摂れば、同じだけのブドウ糖が吸収されてもインスリンの分泌量が減るので、蓄積される脂肪を減らすことができるようになります。
難消化性デキストリンはブドウ糖の吸収量を減らしてくれますか?
難消化性デキストリンは消化されにくいのでエネルギーになりにくいことと、強いネバネバ成分のために、胃で分解されたブドウ糖をゆっくりと小腸に運ぶことで、ゆっくりと吸収されるようにします。これによって血糖値の急上昇を抑えてくれます。ブドウ糖の一部を吸着して吸収されないようにする働きはあっても、吸収されるブドウ糖の量が大きく減るわけではないので、身体に入ってくるエネルギー量に大きな違いはありません。
難消化性デキストリンは脂肪の吸収にも影響を与えますか?
特定保健用食品となっているコーラにも難消化性デキストリンは使われています。これは脂肪の分解を抑える働きが認められているからで、脂肪を分解する胆汁酸の働きを抑える働きが難消化性デキストリンにはあります。胆汁酸が多く分泌されても、その働きが抑えられていれば脂肪の分解量が減って、吸収量も減ることになります。
ブドウ糖の吸収を抑えるギムネマは、いつ摂るのが効果的ですか?
ブドウ糖の吸収を抑える成分は、胃の中に食べ物があるときに作用するので、摂るタイミングとしては食事の前でも後でも働きには大きな差はありません。しかし、ギムネマは甘みを感じにくくするので、食事の前に摂ると、食事をおいしく感じられなくなってしまいます。そのほうが食べすぎないでよいという考えもあるでしょうが、しっかり食事をして余分なものを吸収されにくくするのが正解です。よって、食事をした後に摂るべきです。
- 監修者
- 内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
- イラスト
- 日暮ろこ子