- 動物性の水溶性食物繊維は脂肪の結合を大きくして吸収を抑える
- 中鎖脂肪酸は脂肪酸の数が少ないために低エネルギー量
- 中鎖脂肪酸は体内で分解されやすく、蓄積されにくい
食事で摂った脂肪は脂肪分解酵素によって分解されてから小腸から吸収されていく。すべての脂肪が分解されるわけではなく、吸収されるサイズまで分解されなかったものは吸収されなくなるが、分解された脂肪のサイズを大きくして吸収量を減らすことができる。
その働きをするサプリメント素材があり、脂肪を吸着して脂肪結合を大きくして、小腸での吸収を抑制してくれる。水溶性食物繊維には、その働きがあるが、一般的な水溶性食物繊維は植物性で、吸着率は高くない。
もう一つの水溶性食物繊維は動物性で、カニやエビの甲羅から加工されたキチン・キトサンは脂肪の結合を大きくし、さらに結合が強いために分解されにくい特徴がある。食事で摂った脂肪はグリセロールと脂肪酸が結びついて構成されていて、通常は1つのグリセロールに3つの脂肪酸か結びついている。この状態はトリグリセライドと呼ばれ、この日本語訳が中性脂肪。
特定保健用食品(トクホ)にも使われている中鎖脂肪酸は脂肪酸の結合が2つでエネルギー量が少ないので、これまでと同じ量の脂肪を中鎖脂肪酸に換えた場合には脂肪酸の吸収量が抑えられことになる。また、中鎖脂肪酸は体内で分解されやすく、体脂肪として蓄積されにくい特徴もある。
用語の解説
- キチン・キトサン
よくある質問
脂肪を吸着するサプリメントは脂肪の吸収を大きく減らしてくれますか?
脂肪の吸収を抑えるキチン・キトサンは、すべての脂肪が吸収されないようにしてくれるわけではなく、あくまで部分的に吸着させて、その分だけの吸収を抑えるだけです。脂肪が含まれたものを多く食べれば、それだけ吸収される脂肪が増えてしまうのは当然のことです。
キチン・キチサンは、いつ摂るのが効果的ですか?
脂肪の吸収を抑えるサプリメントは食事の前に摂らなければならないものが多いのですが、キチン・キトサンは脂肪を多く摂りすぎたあとに摂っても効果が得られます。脂肪は胃の中で完全に分解されるのに6時時間ほどかかります、少なくとも3時間はかかるので、食事が終わってから摂っても充分に間に合います。
中鎖脂肪酸は吸収率が低いわけではないのですか?
中鎖脂肪酸の特定保健用食品のデータを見ると、吸収量の差ではなく、血液中の中性脂肪の量で示されています。これを見て、吸収率が低く、多く摂っても太りにくいと勘違いする人も多いようです。結果としては同じであっても、エネルギー量が低いだけなので、摂りすぎは禁物です。
中鎖脂肪酸の油は、多く摂るほどダイエットすることができますか?
ダイエット効果は、あくまで以前に摂っていた脂肪と同じだけの量を摂った場合で比較しているので、多く摂ったからと体内の脂肪が減らせるわけではありません。ここがサプリメントと違っていることです。ダイエットに取り組んでも、脂肪が減らせない人のための油なので、中鎖脂肪酸も減らすことを考えたいものです。
- 監修者
- 内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
- イラスト
- 日暮ろこ子