- ドイツでは医薬品としてオオヒレアザミが肝機能向上に使われる
- 肝臓に酸素を多く届けて機能を向上させるスクワレン
- シイタケ菌糸体は肝機能向上と肝炎改善が認められている
サプリメントは日本では食品に分類されているが、ハーブ大国のドイツでは医薬品として認められているサプリメントも多い。その代表的なものの一つがオオヒレアザミ。この種子の抽出物が医薬品として認可されている。
肝臓は解毒をするときの化学反応のために多くの酸素を使っているが、深海ザメの肝臓に含まれる肝油の成分であるスクワレンには肝細胞に酸素を補給することで肝機能を高め、アルコールの分解が進められる。
シイタケ菌糸体はシイタケの胞子から増殖したもので、栄養が豊富に含まれている。特有成分のエリタデニンは悪玉コレステロールとも呼ばれるLDL値の低下、β-グルカンには免疫の増強作用があり、肝機能向上と肝炎の改善などの作用が認められている。
肝臓の機能を高めるには細胞膜を丈夫にすることも大切で、卵黄や大豆に含まれるコリンを摂ることで細胞膜や神経組織を構成するレシチンが作られやすくなる。また、肝臓への脂肪の蓄積を抑える作用もある。
魚介類に多く含まれる含流アミノ酸のタウリンは、LDL値低下作用とともに肝機能の向上も認められている。肝機能を向上させて、アルコールや有害物質の分解を求める場合は、ウコンなどよりも効果が期待される。
用語の解説
- 菌糸体
よくある質問
肝臓を強化するサプリメントを摂れば、代謝が高まりますか?
肝臓は代謝に必要な全身の酵素を合成する働きがあり、肝臓の機能が正常なら、効率的に酵素を作り出すことができます。細胞の代謝は、有害物質が多い状態では低下を起こしやすくなっています。肝臓が正常に働いて、解毒が盛んに行われていれば体内の有害物質が分解されるので、これも全身の代謝を高めるのに役立ちます。
一番肝機能を高めてくれるサプリメントは何ですか?
サプリメントは薬ではないので、誰にも同じように効くというものではありません。しかし、ドイツではマリアアザミなどとも呼ばれているオオヒレアザミは、この種子のエキスが医薬品として認められて、肝機能の改善に使われています。医薬品としての有効性が認められているので、一番か二番かはわからないものの、有効性が確かめられていることは間違いありません。
肝機能を高めるサプリメントを摂ると飲みすぎてしまいませんか?
アルコールの分解が進むサプリメントを摂れば、それだけお酒を多く飲むことができるようになります。アルコールの分解がよくなると、それだけアルコールが分解されてできるアセトアルデヒドが多くなります。アセトアルデヒドは顔を赤くしたり、頭痛や吐き気などの悪酔いをさせる有害物質なので、かえって悪い状態にすることもあります。アルコールの分解だけでなく、アセトアルデヒドの分解も進めるサプリメントを摂ることも必要です。
肝機能を高めるサプリメントは、いつ摂るのが効果的ですか?
お酒を飲む人は飲酒前に摂るのが原則です。ただ、飲む前に摂るとアルコールの分解が進みすぎて、多く飲みすぎてしまうという人は、ある程度の量を飲んだ後に摂るか、飲み終えてから摂るようにします。これによって、飲みすぎを抑え、飲酒後の回復を早めることができます。
- 監修者
- 内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
- イラスト
- 日暮ろこ子