栄養を補給するための摂取タイミングとは?

1つでも不足すると効果は低下「桶の理論」
この記事の概要
  • 栄養補給は食事と一緒にサプリメントを摂るのが原則
  • 必要な栄養素は一つでも欠けると有効性が低下
  • 軟骨と潤滑液の成分は空腹時に摂らないと意味がない

食事では不足するものを摂取するのがサプリメントの基本で、中でもビタミン、ミネラルを補うサプリメントの場合には、食事とともに摂るのがよいとされている。ビタミンとミネラルは複合的に組み合わされて生理作用を発揮するものが多く、一つでも不足すると効果が大きく低下する“桶の理論”が知られている。

アミノ酸の場合も体内では合成されない必須アミノ酸をすべて摂ることで効果が高まることを示すためにも使われる。食事だけでは不足しにくい栄養素をサプリメントで補うことが目的の場合には、やはり食事の後に摂るとよい。

食事からは不足しやすいものに軟骨成分と潤滑油成分がある。これらは高齢者に不足しがちだが、盛んに運動をしている人は関節の摩擦が多くなることで不足している人は少なくない。

膝関節の軟骨の材料や潤滑油の役割をするグルコサミン、コンドロイチン、コラーゲン、ヒアルロン酸はネバネバした成分であるために、食べたものや他のサプリメント成分と結合した高分子状態となって小腸から吸収されにくくなる性質がある。そのため、食事の前後にとった場合は効果が得られなくなる。効果的に吸収させるためには、空腹時に摂ったほうがよい。

用語の解説

桶の理論

必要なものが一つでも欠けると、桶の板が1枚短いのと同じように水が途中までしか入らないことに例えた理論。9種類の必須アミノ酸のうち一つが不足しているとアミノ酸スコアが低くなることを指し、いろいろな食品から栄養素を摂ることをすすめている。

よくある質問

コラーゲンやヒアルロン酸のサプリメントには粉になったものもありますが、これも食後に摂ると吸収されにくいのですか?

コラーゲンもヒアルロン酸も粉の状態であっても、水分を吸収するとネバネバになって、吸収されにくい形状になります。サプリメントとしての形状ではなく、素材の性質から、胃の中で、どんな形状になるのかを考えて、摂るタイミングを決めるようにしたいものです。

吸収されにくい高分子のサプリメントは販売されているのですか?

コラーゲンやヒアルロン酸は以前から研究が進んでいるので、吸収されやすい低分子のものは、かなり前からありました。商品がヒットしてからも高分子のものが出回っていたのはグルコサミンで、分子構造が大きかったために吸収されないのがほとんどという時代もありました。今では低分子になりましたが、食事と一緒に摂るとくっついて高分子状態になるので、空腹時の摂取が原則です。

ビタミンやミネラルは食事と一緒に摂らないと意味がありませんか?

ビタミン、ミネラルは他の栄養素と一緒に摂ったほうが複合的に吸収され、複合的に使われるので、食事と一緒に摂ることが原則となります。脂溶性のビタミンは脂肪が含まれた食事と一緒に摂らなければなりませんが、水溶性のビタミンは、いつでも吸収されるので空腹時に摂っても効果があります。

アミノ酸は1日の食事の中で、すべてを摂っても、1回の食事で摂っても結果は同じですか?

アミノ酸は肝臓の中でたんぱく質に合成されるときに、すべてのものがそろっていることで効果的に合成されます。別々の食事で1日の必要量を摂っても、たんぱく質の合成はうまく進まないので、1食の中でアミノ酸のバランスを取るか、食事のあとにアミノ酸のサプリメントを摂って補うようにします。

監修者
内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
イラスト
日暮ろこ子
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