日本人は肥満遺伝子を持っている人が多い!?

肥満に関する遺伝子
この記事の概要
  • 数多くある肥満遺伝子のうち日本人は3タイプが多い
  • 遺伝子のタイプによって太る理由が異なっている
  • 遺伝子に合ったダイエット法なら効果的にやせられる

肥満の原因は食べすぎと運動不足だとされている。食事と運動は自分の意志でコントロールできるので、努力次第でダイエットに失敗するはずはないとも思われている。

しかし、他人と同じだけの努力をしても結果が出ない人も少なくない。「やせの大食い」がいる一方で、「少食でも太る」人がいる大きな理由として、代謝の違いのほかに考えられているのは遺伝子の違い。

遺伝情報を子孫に伝える遺伝子の中で、肥満に関連する遺伝子は40種類以上が発見されている。肥満遺伝子の多くはエネルギー代謝に関わるものであり、その中で日本人に多いものとして3種類の遺伝子の研究が進められている。

遺伝子のタイプは、変わることはなく、一生涯付きまとうものではあるが、太りやすい遺伝子であれば必ず太るというわけではない。例えば、脂肪を蓄積しやすい遺伝子の人が、脂肪が少ない食事をしているか、脂肪を燃焼させやすい生活をしていれば、太らないのは当然のことである。

自分の遺伝子タイプを知り、遺伝子別の太る理由、やせる理由を踏まえた生活習慣をすることによって、体脂肪の蓄積をコントロールすることができる。つまり、効果的にやせることができるというわけだ。

用語の解説

肥満遺伝子

肥満に影響する遺伝子で、体内の3万種類の遺伝子のうち、肥満に影響するのは40~60種類とされ、遺伝子によって基礎代謝と脂肪合成に差が表れやすい。そのうち日本人の約70%は3タイプの遺伝子タイプを持っている。両親が肥満の場合は約80%、母親が肥満の場合は約60%、父親が肥満の場合は約40%が子供が肥満になるとされている。遺伝子検査で体質と適したダイエット方法、注意しなければならない疾病などがわかる。

よくある質問

日本人は太りやすい遺伝子を持った人が多いのですか?

3タイプに限っても日本人の約85%が肥満遺伝子を持っています。これほど太りやすい国民は日本人しかいないと言われています。というのは、日本人は今から70年ほど前の終戦後から食生活が大きく変わり、低栄養の時代を生き抜くための節約型の体質が、太る原因となってしまいました。本来なら生き抜くための優れた遺伝子が、今は肥満になる遺伝子となっているということです。

遺伝子は一生変わらないので太る体質の人は、どうすることもできないのですか?

遺伝子には一生涯変化しないものと、環境によって変化していくものがあることがわかってきました。脂肪を合成しやすい、蓄積しやすい、分解されにくいといった体質は変化しなくても、運動をしたときの脂肪燃焼効果は運動習慣によって高めていくことができます。体質だからといって諦めることはないのです。

たくさん食べても太らない人は遺伝子が関係していますか?

大食いのフードファイターは太っている人は少なく、脂肪の蓄積が少なく、燃焼させやすい遺伝子の体質を持っています。これは、大食い番組に登場する女性の遺伝子検査を行った結果、確かめられています。特に優れていたのは褐色脂肪細胞の活性で、脂肪を燃焼させるタイプの脂肪細胞の働きがよいので、食べても太りにくくなっています。胃が小さければ多くの量を食べることはできないのですが、やせていると内臓脂肪が少なくて、胃が広がりやすいことも大食いの女性に共通しています。

やせている人は食べても太りにくい遺伝子を持っていると考えてもよいですか?

脂肪が多い肉を食べても太りにくい人は、脂肪を燃焼させやすい体質であるだけでなく、脂肪を分解して吸収されやすい形にする脂肪分解酵素の分泌量が少ない場合もあります。分解されなければ吸収されないわけですが、これは遺伝子というよりも脂肪分解酵素の分泌の能力に関係しています。太りやすいか太りにくいかは、すべてを遺伝子が決めているわけではないのです。

監修者
内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
イラスト
日暮ろこ子
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