- 脂肪代謝が低く内臓脂肪も皮下脂肪も蓄積されやすい
- 食事を減らすと体温が下がりやすいので脂肪の量を抑える
- ビタミンB群を摂って有酸素運動を続けよう
日本人に特徴的な遺伝子3タイプのうち、脱共役たんぱく質1遺伝子タイプの人は、脂肪の代謝が低いために余分な脂肪が内臓脂肪として蓄積されやすく、さらに下半身に皮下脂肪が蓄積されやすいのが特徴。日本人の約35%が該当し、1日の基礎代謝量は100kcalほど低くなっている。
父母由来の遺伝子が両方とも標準とは異なるホモ型となっている。脂肪の多い食事を好み、味が濃い料理を好む傾向がある。そのために脂肪が多い量を食べすぎてしまいがち。
代謝が低いことから食事量を減らすと体温が下がりやすく、同じ活動をしてもエネルギー消費量が高まりにくい。そのため、内臓脂肪が減りにくく、皮下脂肪も減りにくくなっている。
食事量は落とさず、全体のエネルギー摂取量を減らすために、エネルギー量が高い脂肪の摂取量を減らすことが第一。そして、脂肪を燃焼させるために必要なビタミンB群が豊富な野菜、穀類、海藻などを摂るようにするとよい。
皮下脂肪は運動によって減りにくいものの、内臓脂肪が減ったあとに皮下脂肪が減っていく。運動の効果が出るまでにはかなりの期間がかかるので、まずは有酸素運動を続けるようにして、先に内臓脂肪を減らすことから始めたい。
脱共役たんぱく質1遺伝子タイプのチェック表
体質チェック
- 食事を減らしてもやせにくい
- 筋肉運動をするとやせやすい
- 食事を減らすと体温が下がりやすい
- 腹部よりも下半身に脂肪がつきやすい
- 皮下脂肪が厚い
- 二の腕がたるみやすい
- 中性脂肪値が高いと指摘されたことがある
- 甘いものよりも脂肪が多いものが好き
- 母親も同じ体型をしている
- ストレスを感じやすい
生活チェック
- 主食よりもおかずを多く食べたい
- 和食よりも洋食が好き
- 魚よりも肉が好き
- 野菜を食べる量が少ない
- 早食いである
- 甘いものは別腹と思っている
- マヨネーズが好き
- 揚げ物が好き
- お酒を飲むと食べる量が増える
- タバコを吸っている
用語の解説
- ホモ型
よくある質問
脂肪の多い食事を好む人は、何を注意すればよいですか?
肉食が中心では脂肪が多く、魚の脂肪よりも太りやすいので、肉類より魚介類をメニューに多く入れることが基本となります。青魚の脂肪に多く含まれる脂肪酸のEPAとDHAは、肝臓での脂肪の合成を抑えて、血液中の中性脂肪を下げてくれるので、ダイエット効果が高いたんぱく源といえます。
脱共役たんぱく質1遺伝子タイプは食事の脂肪を減らせば大丈夫ですか?
目に見える脂身などの脂肪は減らしやすいのですが、案外と脂肪を摂りすぎているのは調理油で、植物油大さじ1杯(12g)で約100kcalと高エネルギーです。揚げ物に使われている油の量は、とんかつ(1人前)12g、フライドポテト(Mサイズ)20g、てんぷら(1人前)15gと多く、バター、マーガリン、マヨネーズ、ドレッシングなど油が多い調味料も控えめにします。
運動をしても体温が上がりにくい人は、どんな食事をすればよいですか?
体温を高めやすいのはエネルギー量が高い脂肪ですが、脱共役たんぱく質1遺伝子タイプの人は脂肪を摂ると太りやすくなります。ブドウ糖が増えても太りにくいタイプではあるので、主食を多めにして、ブドウ糖を多く取り入れるようにします。ブドウ糖はエネルギーになりやすく、食事のあとに身体を動かすことで燃焼も早まります。
運動をしても体温が上がりにくい人は、どんな運動をすればよいですか?
脱共役たんぱく質1遺伝子タイプはブドウ糖を燃焼させるために有酸素運動を取り入れることが有効になります。ブドウ糖は10~15分ほどの運動でよく燃焼するので、ウォーキングやジョギング、自転車などの運動をします。ゆっくりと歩くのではなく、早歩きなら5~10分でもブドウ糖を燃焼させられます。
- 監修者
- 内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
- イラスト
- 日暮ろこ子