- 自律神経の情報によるホルモンによって脳下垂体を働かせる
- 脳下垂体は内分泌腺を刺激する刺激ホルモンを作り出す
- 刺激ホルモンによって分泌されたホルモンが全身をコントロール
ホルモンは、体液とともに体内を循環して、特定の組織の機能に変化を与える生理物質のこと。ホルモンの分泌を調整しているのは脳内の視床下部で、自律神経を通じて得られたさまざまな情報から内分泌腺に指令を出して、必要なホルモンの種類と量を判断して、ホルモンによって脳下垂体に指令を出している。
脳下垂体は担当するホルモンを出すとともに、他の内分泌腺を刺激してホルモンを分泌させる刺激ホルモンを作り出している。刺激ホルモンは血液によって各内分泌腺に運ばれ、内分泌腺に働きかけて、ホルモンが分泌される。
そして、内分泌腺から分泌されたホルモンは血液によって運ばれ、細胞内に入って命令を実行させる。内分泌腺には、脳下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎、膵臓のランゲルハンス島、精巣、卵巣などがあり、それぞれ異なったホルモンが分泌されている。
自律神経は各臓器に対して興奮させるアクセル役の交感神経と、抑制させるブレーキ役の副交感神経がバランスを取って働いている。ホルモンも同じように、アクセル役とブレーキ役のホルモンがあるが、自分の意志や行動ではコントロールしにくく、自律神経の調整によって間接的に徐々に整えていくことができる。
用語の解説
- 刺激ホルモン
よくある質問
自律神経の乱れを解消してホルモン分泌を整えるために簡単にできるのは何ですか?
自律神経は日が出ているときには交感神経、日が沈んでからは副交感神経がメインになるように調整されています。起床の時間が遅くなったり、就寝時間が0時を過ぎると交感神経と副交感神経の切り換えがうまくいかなくなります。早朝に起きるだけでは自律神経への切り換えができないので、起きたら、すぐに朝の光を浴びることでリセットするのが一番にできる方法です。
規則正しい睡眠時間ならホルモンは調整されますか?
睡眠のリズムが一定なら生活リズムが整えられるので、ホルモンの分泌も整えられていきます。生活リズムが一定であってもストレスがかかっていると自律神経の交感神経の働きが盛んになりすぎて、そのためにホルモン分泌が乱れるようになります。ストレスをためないようにと言われても解消は難しいかもしれませんが、ストレスがホルモンを乱すことは知っておいてください。
ストレスがかかっていると生理も乱れやすくなりますか?
生理から排卵までの間のエストロゲン(卵胞ホルモン)と、排卵から生理までのプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌の切り換えも自律神経が調整しています。ストレスがかかったときに、それを解消するために効果があるのは女性ホルモンです。それだけに女性ホルモンの分泌が乱れやすく、生理周期も乱れやすくなります。
ダイエットすると生理が乱れやすいのはホルモンの関係ですか?
ダイエットをして体脂肪が急に大きく減ると、女性ホルモンの分泌量が減っていきます。これはエネルギー不足の状態を乗り切るために、生命維持のために必要なエネルギーを振り分けて、生きていくために子孫を残すことが後回しにされるからです。そのために、無理なダイエット、急な体重減少があると生理が乱れやすくなり、生理が止まることもあります。
- 監修者
- 内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
- イラスト
- 日暮ろこ子