vol.128 - 食欲を調整するホルモンのレプチンとは?

要点のまとめ
  • 太るとレプチンが分泌されてやせるように働きかける
  • 太っている人はレプチン量が多いのにやせにくい
  • 日本人はレプチン抵抗性が強くなっている
レプチンが満腹を感じさせる

日本人が太りやすい体質である原因の一つとしてレプチンの抵抗性があげられる。レプチンは食欲を調整するホルモンで、もともと日本人はレプチンが分泌されやすい。

レプチンには満腹を感じさせる作用があり、正常に働くことで食欲は抑制されている。レプチンは脂肪細胞から分泌されており、脂肪細胞内の体脂肪が増えると分泌量が高まっていく。

レプチンは、脳の視床下部に作用して、満腹中枢の働きを高めて食欲を抑制する働きをしている。また、レプチンには自律神経の交感神経にも働きかけ、中性脂肪の蓄積を抑制して、エネルギー消費を亢進する作用もある。

脂肪細胞に中性脂肪が多く蓄積される状態は、生体機能を正常に働かせるには妨げとなることから、脂肪細胞に蓄積される中性脂肪が増えるほど、レプチンが多く分泌されるようになる。この機能が正常に機能していれば過剰な肥満は起こらないはず、肥満者の多くはレプチンの分泌量が多いにも関わらず体脂肪が多く蓄積されるのは、視床下部でレプチンを受け取る受容体の反応が不十分だから。

この状態はレプチン抵抗性と呼ばれる。つまり、レプチン抵抗性の人は、満腹サインが出ていながら、それを感じることができずに、食欲が抑えられなくなっている。

用語解説

レプチン抵抗性

肥満した脂肪細胞からレプチンが分泌されているにも関わらず、満腹感を得にくくなっているもの。満腹中枢が正常に働くように、ゆっくり食べる、血糖値が上昇しやすい食品を食べるといったことから改善していくことができる。

Q&Aコーナー

食欲が抑えられなくなったときに対処する方法はありますか?

食欲は脳の中枢によって起こっているもので、精神的に我慢をしたり、ガムを噛んで気を紛らわせても長続きはしません。食欲は脳のブドウ糖が不足したときに高まるので、ブドウ糖が多く含まれる砂糖が使われたものを食べることです。ただし、それで太っては意味がないので、ほんの少しの量にしておきます。

食欲が高まらないようにする方法はありますか?

食欲は空腹を感じたときに高まります。脳で空腹を感じる摂食中枢は血液中のブドウ糖が減ったときに働くようになります。食事と食事の間が長くなると血糖値が下がって空腹を強く感じるようになります。そこで、空腹を感じやすいときには、血糖値が下がらないようにするために、砂糖が含まれたものを少しだけ食べるようにすることです。

レプチンへの反応をよくする食べ物はありますか?

レプチンが作用しやすくなる食べ物があれば簡単ですが、そうはいきません。ただ、もともとレプチンへの反応がよくない人が、さらに反応を悪くするのは脂肪が多く含まれた食品を食べることです。脂肪が多い食品は太りやすいわけですが、満腹も感じにくくなるので、肉の食べすぎ、脂肪の摂りすぎには注意が必要です。

満腹感を得るようにする方法はありますか?

満腹感は、お腹ではなく脳で感じるものとされています。その脳に影響を与えているのは血液中のブドウ糖の濃度で、濃度が高くなると多くの食べ物が入ってきたと判断して満腹中枢が働くわけです。その満腹中枢がレプチン抵抗性の人は働きにくくなっています。お腹では満腹をまったく感じていないわけではなく、お腹が膨らむものを食べると、脳の満腹感を補ってくれます。よって、お腹を膨らませやすい食物繊維、中でも水分を吸収して膨らむ水溶性食物繊維が含まれるキノコ、海藻などを多めに食べるようにします。

《監修:内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
《イラスト:日暮ろこ子》

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