満腹でもスイーツ食べたくなる理由は“グレリン”?

別腹はグレリンのせいだった
この記事の概要
  • 食べすぎてしまうのは食欲増進のグレリンが増えているから
  • 満腹状態でも食べたくなる“別腹”はグレリンのせい
  • 睡眠時間が不足するとグレリンが多くなる

食欲のバランスを取っているホルモンの一つにグレリンがある。レプチンの分泌量が増加するとグレリンの分泌が低下し、逆にレプチンの分泌量が減少するとグレリンの分泌量が増加している。

グレリンは、胃から分泌され、脳の視床下部に作用するペプチドホルモンで、食欲中枢を刺激して食欲を増進させる。満腹状態でも、おいしいと感じるものを目にすると食欲が湧くことは別腹と呼ばれているが、その別腹現象が起こるのは精神的な食欲の高まりによってグレリンが分泌されるから。

胃の病気や不調によって胃壁が傷つくと食欲が低下するのは、胃からのグレリンの分泌が低下するからだと考えられている。グレリンは、睡眠不足になると分泌量が増えて食欲が増進するが、同時にレプチンの分泌が減って満腹を感じにくくなる。

これは睡眠不足に対応するために、活動に使われるエネルギー量を増やすための反応で、睡眠不足が続くと食欲が増す。活動時間が長くなったにも関わらず、逆に太ることになりかねない。

8時間睡眠の人が5時間睡眠にすると、レプチンの分泌量が低下し、その分だけグレリンの分泌量が増加したとの研究報告もある。最も太りにくく、やせやすい睡眠時間は7~8時間とされている。

用語の解説

睡眠不足

睡眠不足になると、成長ホルモンの分泌が低下し、筋肉の増強が抑制されて脂肪の代謝も低下するようになる。BMI(体格指数)が高くなっていることも確認されているので、睡眠時間は充分に取るように心がけたい。

よくある質問

グレリンの分泌によって高まる食欲を抑えるために、何をすればよいですか?

なんといっても睡眠不足が大きな要因なので、7時間以上の睡眠時間を確保することです。グレリンが食欲を増進させるといっても、満腹中枢のほうが優先されるので、脳にブドウ糖が届けられていれば食欲は抑えられるので、空腹を感じたときに少しだけ甘いものを食べるのは有効です。

別腹現象が起こると太るということですか?

食べたいと思うものにだけ反応して食べ物が入るスペースを作るのが別腹現象です。ダイエットしている人が食べたいと思うものは大抵は甘いものか脂肪が多いもので、普段は我慢をしているものです。満腹なのに、さらに食べたいと感じるものを減らしたり、避けたりすることが大切だということです。

レプチン抵抗性の人はグレリンが少ないのですか?

レプチンが多くなるとグレリンが減るわけですが、レプチン抵抗性の人はレプチンが多くなっても、その反応が起こりにくいだけで、本来ならグレリンが少なくなり、食欲が抑えられるはずです。ところが実際には、食欲が高まりやすい傾向があります。少しでもグレリンの分泌量が抑えられるように睡眠時間を確保するようにします。

睡眠時間が同じなら、寝起きする時間がズレてもグレリンの分泌量は変わりませんか?

睡眠時間が短くなるとグレリンが増えるのは、エネルギー不足を補うためでもあります。就寝時間が遅くなるとエネルギーを多く使うことになるので、寝ている間に分泌されるグレリンも増えるようになります。これでは睡眠時間を長くしても効果が得られにくくなるので、できるだけ早めに就寝するようにしたいものです。

監修者
内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
イラスト
日暮ろこ子
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