- 交感神経は身体活動を活性化させる
- 副交感神経は身体活動を抑制する
- 交感神経の働きが高まると食欲が低下する
自律神経は、意志とは無関係に働く神経で、全身の機能を自動的に調整している。自律神経は交感神経と副交感神経とがある。
身体の活動を活性化させるのが興奮系の交感神経の働きで、緊張や不安などでストレスが高まっているときなどに、血管を収縮させ、心拍数が増え、血圧が高まり、筋肉が緊張するなど、状況の変化に応じられるようにしている。
逆に、身体の活動を抑制させるのがリラックス系の副交感神経の働きで、睡眠中や休息時、夕方以降などに、血管を拡張させ、心拍数が減り、血圧が下がり、筋肉が緩んで、昼間に活動した体の疲労回復、修復が行われる。
通常は活性化を担っているのが交感神経だが、胃腸は副交感神経によって消化、吸収の活動が進み、膵臓は副交感神経によってインスリンの分泌量が高まるというように、逆の働きをしている。これは夕方以降の休息の時間帯に消化と吸収を進め、インスリンの分泌によって体内のブドウ糖と中性脂肪の取り込みを高めるため。
ストレスによって交感神経の働きが高まると、食欲が低下し、胃と腸の働きが低下する。興奮状態にあるときには空腹を感じにくくなり、食欲が低下することは多くの人が経験しているはず。
用語の解説
- 心拍数
よくある質問
食事の前にダラダラしているより、テキパキと動いたほうが胃液もインスリンも減って太りにくくなりますか?
副交感神経がメインに切り換わっている夕方以降に胃液とインスリンの分泌を減らすためには、交感神経の働きを盛んにしてあげなければなりません。そのためには筋肉が刺激されることが必要で、家事をする程度では足りません。体操でもよいので、筋肉を刺激して、少し息が弾むくらいの運動を食事の前にするとよいでしょう。
自律神経を自分で切り換えることはできますか?
自分の意志では切り換えることができないのが自律神経の特徴ですが、例外があって、それは運動と入浴です。運動をすると交感神経の働きを盛んにすることができます。入浴は温度が42℃を超えると交感神経の働きが盛んになり、40℃以下では副交感神経の働きが盛んになります。
夕方に興奮状態になれば夕食が少しでもお腹がすかないようになりますか?
興奮状態で仕事や運動をしていると胃液が出にくくなるので、お腹がすきにくくなります。その仕組みは昼食や間食を減らすために活用すべきで、夕食のときには栄養成分を充分に吸収するために、胃液を多く分泌させるようにリラックスして食べるべきです。どうしても体脂肪を減らさなければいけないときには熱めの温度での入浴で交感神経に切り換えてから夕食をする方法が取られますが、胃液の分泌が減って消化が低下することを考えると、不足するビタミンやミネラルなどはサプリメントで補うことも感がるべきです。
ストレスが強いと太りにくいのですか?
ストレスは自律神経の交感神経の働きが盛んになっている状態で、胃液もインスリンンも分泌が低下するので消化が遅くなり、インスリンによる脂肪の合成は減るようになります。といってもストレスは血管を収縮させて血液循環を低下させるので、全身の代謝を低下させることにもなります。長い目で考えると、ストレスはダイエットをするには避けるべきものといえます。
- 監修者
- 内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
- イラスト
- 日暮ろこ子