- 成長ホルモンが筋肉の成長と代謝を高める
- 就寝中と運動時に成長ホルモンは多く分泌される
- 深夜の0~2時に熟睡していると最も多く分泌される
成長ホルモンは、脳下垂体から分泌されるホルモンで、人間の成長ホルモンはヒト成長ホルモン(HGH)と呼ばれる。成長ホルモンには成長に関する作用と、代謝を調整する作用がある。
成長作用は、主に筋肉の成長と骨の伸長であり、筋肉の成長は肝臓におけるアミノ酸からたんぱく質への合成を促進させる。骨は日々変化をしており、破骨細胞が骨を分解し、骨芽(増骨)細胞が増殖をさせている。
成長ホルモンには骨芽細胞の増殖を進める作用がある。代謝作用では、糖質、脂質、たんぱく質、ミネラルの代謝の促進のほか、カルシウム濃度の恒常性の維持、血糖値と体脂肪の一定化などの働きをしている。
成長ホルモンは、成長期の20歳ころをピークとして、30~40歳で急激に減少し、50歳以降は分泌量が低いまま推移する。成長ホルモンは成長期を過ぎると睡眠中と運動後にだけ多くは分泌されるようになる。
多く分泌されるのは深夜の0~2時。この時間帯に熟睡していることで成長ホルモンが特に多く分泌されるようになる。
睡眠は深い眠りのノンレム睡眠と、浅い眠りのレム睡眠を約45分周期で繰り返している。入眠してから3時間ほどの間に特に深い眠りがあり、そのときに成長ホルモンの分泌が多くなる。
用語の解説
- ノンレム睡眠
よくある質問
成長ホルモンが最も多く分泌されるためには、何時に就寝すればよいですか?
熟睡するまでの時間が30分だとすると、23時30分に就寝すれば1時までの間に1回、0時に就寝すれば1時30分までの間に1回、成長ホルモンが多く分泌される時間があります。ところが、1時に就寝すると成長ホルモンが多く分泌される2時を過ぎてしまうので、分泌量が減ってしまいます。できれば0時30分までには就寝するべきです。
成長ホルモンを増やす食べ物はありますか?
成長ホルモンをはじめとしたホルモンは、どれもコレステロールを材料として肝臓で作られています。ダイエットにはよくないと言われることもある肉類や卵にはコレステロールが多く含まれています。食べてはいけないのではなく、食べすぎがいけないので、コレステロールを適度に摂ることで成長ホルモンを増やす効果もあります。
成長ホルモンを増やす効果がある運動は何ですか?
運動には筋力系と持久系がありますが、成長ホルモンは筋肉の刺激が高まったときに分泌されやすくなっています。筋肉運動といっても重いものを持ち上げたり、無理に上半身運動をすることはありません。適度に上半身を動かすことは心がけてほしいのですが、歩幅を広げて元気に、勢いよく歩くことでも下半身から腹筋、背筋を刺激することができます。歩き方によってはウォーキングも充分な筋肉運動にすることができます。
熟睡するための入浴法はありますか?
よく眠るためには就寝前の入浴によって身体を温めてから布団に入ることがすすめられます。少し高まった体温が徐々に下がっていくときに眠りにつきやすいので、その効果を得るために就寝の前に入浴をするわけです。熱めのお湯での入浴ではなく、ゆるめの温度で自律神経の副交感神経の働きを盛んにすることでリラックスして寝つきやすくなり、眠りも深くなります。
- 監修者
- 内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
- イラスト
- 日暮ろこ子