有害物質の排泄によるデトックス

快腸・快便でデトックス
この記事の概要
  • 有害物質の滞在時間が長くなると大腸のリスクが高まる
  • 野菜と魚介類の組み合わせで発がん物質が発生する
  • 便通をよくして有害物質をできるだけ早く排出する

飲食物などから体内に入ってきた有害物質のうち、胃腸から吸収されるもの以外は、腸管を通って、最終的には排泄物とともに排出される。腸管を通過しているときに、有害物質の一部は腸壁を刺激し、腸内での停滞時間が長くなるほど腸壁への刺激が強まることになる。

便通がよくない人は、大腸内での停滞時間が長くなり、大腸壁が有害物質の刺激を受け続けることになる。有害物質だけでなく、食品の組み合わせによって作り出されるニトロソアミンという発がん物質が腸壁を刺激して、大腸がんを引き起こすことがある。

ニトロソアミンは野菜などの食品に含まれている硝酸塩と、魚介類に含まれているたんぱく分解物であるアミンが胃の中で反応することで作り出される。腸壁を刺激する不溶性食物繊維、腸管を収縮させるカルシウムやマグネシウムを摂ることによって便通を促進して、有害物質を早く排出させることができる。

食物繊維のうち水を吸って膨らんでゲル状になる性質がある水溶性食物繊維は、便を軟らかくして便通を促進させる作用がある。腸内の有害物質は腸壁を刺激するだけでなく、大腸壁から水分が吸収されるときに一緒に吸収され、血液中に入る。大腸壁からは、腸内細菌の悪玉菌が作り出した毒素も吸収される。

用語の解説

ニトロソアミン

アンモニアの水素原子と炭化水素が置き換わったアミンと亜硝酸が酸性の条件で反応することで生成される。DNAの配列を狂わせるため、発がん性が認められている。

よくある質問

ニトロソアミンの被害を減らす方法はありますか?

野菜などの硝酸塩と魚介類のアミンが一緒になるとニトロソアミンが作られるので、魚介類を食べるときには野菜を食べないように言われることもあります。それでは栄養バランスも悪く、味気ない食事になってしまいます。ニトロソアミンが発生しても解毒で減らせばよいわけですが、その働きをするのはビタミンCとビタミンEです。

特にニトロソアミンが多く作られる食べ合わせはありますか?

硝酸塩が特に多いのは野菜の中でも漬物です。漬物は発酵食品で乳酸菌も多いといっても食べすぎは注意が必要です。また、アミンが多く含まれるのは魚介類の中でも干物です。漬物と干物は日本食で、よく出てくる組み合わせです。両方とも塩分が多いので、食べるにしても、どちらかにしておきます。

便秘ぎみの人は水溶性食物繊維だけを多く摂ればよいですか?

不溶性食物繊維には便を硬くする作用があって、水溶性食物繊維には便を軟らかくする作用があるので、便秘ぎみの人が水溶性食物繊維だけを摂ろうと考えるのは理解できます。便通は腸壁を刺激して蠕動運動を進めていくことでもよくなるので、腸壁を刺激する作用がある不溶性食物繊維も摂らなければなりません。

便通をよくするためのカルシウムの摂り方はありますか?

カルシウムの腸からの吸収率は30%ほどで、残りは腸壁を刺激するのに使われます。カルシウムはイオン化してから吸収されるので、空腹時に摂ると吸収率が高まりますが、それだけ腸を刺激するカルシウムが減ってしまいます。骨の強化やイライラ解消のためには空腹時にサプリメントで摂って、食事のときにはカルシウムが多く含まれる食品を摂るという使い分けも必要です。

監修者
内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
イラスト
日暮ろこ子
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