“まるごと食べる”とダイエットにもメリットあり?

まるごと食べよう
この記事の概要
  • 野菜の皮にはビタミンやミネラルが豊富に含まれる
  • 捨てられる部分にダイエット効果がある成分が多い
  • 皮の食物繊維には脂肪の合成を抑える作用がある

スーパーなどで販売されている食品を見ると、肉類は丸ごととはいかないが、魚も前処理で頭と尾、内臓が取り除かれたものが販売されている。野菜もカット済み、調理済みのものが増え、魚介類や野菜の丸ごとの形を知らない子供たちも増えている。

食品の栄養素は、料理をするときにカットされる部分に多く含まれている傾向がある。エネルギー代謝に必要なビタミンB群や、亜鉛、マグネシウム、マンガンなどの微量ミネラルは米の胚芽部分や野菜の皮、肉類や魚介類の内臓、魚の頭の部分などに多く含まれているので、これらの部分を取り除くことは、せっかくのダイエット成分を捨てていることになる。

それを補うためにサプリメントを使うことは手軽な解決法の一つだが、食品を元の状態に近い形で食べることは、必要な栄養素を摂取するための重要な方法となる。

また、胚芽や皮を取り除くと、食べやすいことから、多くの量を食べる傾向がある。

しかし、糖質の消化を遅らせ、吸収も遅らせて血糖値の上昇を下げる食物繊維も、捨てられる部分には多い。血糖値の上昇は、膵臓からのインスリンの分泌量を増やし、肝臓での脂肪の合成を進める要因となる。

皮や内臓には残留農薬の心配もあるものの、できるだけ丸ごとを食べることを心がけたい。

用語の解説

残留農薬

栽培中に使われた農薬のうち食品に残っているものを残留農薬という。皮に多く、洗うこと、皮を剥くことで多くは取り除くことができるが、一部は残留して体内に入ってくる。輸入食品には収穫後に噴霧された農薬(ポストハーベスト)が残留している場合もある。

よくある質問

亜鉛が多く含まれる食品には、どんなものがありますか?

亜鉛といえばカキ(牡蠣)と言われるぐらいで、2~3個で1日の必要量を摂ることができます。レバーだけは豚肉のほうが多いのですが、一般に食べる部位としては牛肉のほうが多くなっています。脂肪が少ない食品ではココア、抹茶、きな粉、海苔、わかめ、納豆、ゴマ、ナッツ類に多く含まれています。

マグネシウムが多く含まれる食品には、どんなものがありますか?

納豆、味噌、豆腐、油揚げ、がんもどきなどの大豆製品に多く含まれていますが、なまこ、しらす干し、いわしの丸干し、桜えび、はまぐりやつぶがい、ばいがい、カキなどの貝類といったように、普段は食べない食品に多く含まれています。種実類にも多く、ココアを飲むことでも充分に補給できます。

マンガンが多く含まれる食品には、どんなものがありますか?

微量元素のマンガンは、生姜やみょうが、日本茶、しそ、バジル、しその実、モロヘイヤ、栗、ひよこまめといった、口にする機会が少ないものに豊富に含まれています。干しえびやめざし、わかさぎ、あゆといった内臓や頭ごと食べる食品にも多く含まれています。

肉類で栄養豊富な部分は、どこの部位ですか?

料理に使われる肉部位の部位は主に筋肉で、この部分にはビタミンやミネラルも多く含まれていますが、たんぱく質と脂肪も多く、同じ重量で比較するとレバー(肝臓)のほうが多くなっています。腸にはコラーゲンが、ハツ(心臓)にはビタミンB₁が多く、食べる機会が少ない内臓のほうが栄養は豊富です。

魚で栄養豊富な部分は、どの部位ですか?

小魚を食べると身体によいと言われるのはカルシウムが豊富に含まれるだけではありません。内臓や頭にはビタミン、ミネラル多く含まれています。また、皮は身よりもビタミンが多く、魚卵は生命の源であるのでビタミン、ミネラルだけでなく、他の栄養素も豊富に含まれています。

監修者
内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
イラスト
日暮ろこ子
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