- 身体を温める食品と身体を冷やす食品がある
- 身体を冷やす食品は温めると冷やす性質が弱まる
- 温めて食べることで温める性質の食品に変えることができる
東洋医学では食品の性質を、身体を温めるか身体を冷やすかで分けている。これは五性分類と呼ばれる。
身体を温める作用がある「温性」、身体を温める作用が強い「熱性」、身体の熱に影響しない「平性」、身体を冷やす作用がある「涼性」、身体を冷やす作用が強い「寒性」に大きく分けられている。
同じ穀類でも餅米は身体を温め、そばや小麦は冷やし、米は中間の食品となっている。身体を冷やす性質がある食品でも煮るなど温めたときには平性となり、平性の食品は温性の性質にすることができる。
涼性、寒性の食品の性質を、そのまま取り入れるためには、生の状態か冷やして食べるようにするとよい。
肉類では鶏肉、羊肉が温性、牛肉や豚肉が平性、馬肉が涼性となっている。また、魚ではサンマやアジ、サバ、カツオなどは温性、ヒラメやイカなどは平性、カニやタコなどは涼性となっている。
同じ飲料であっても、紅茶や中国茶、ハーブティー、ココアは温性だが、緑茶は紅茶や中国茶と同じツバキ科の葉ではあるものの身体を冷やす性質となっている。コーヒーも身体を冷やす。
温めて飲むと、そのときには身体は温まるが、身体の中で温度が下がってくると、身体を冷やす性質が発揮されるようになる。
用語の解説
- 五性分類
よくある質問
身体を温めすぎたときには、どんなことが起こりますか?
身体が冷えやすい人が身体を温めるものを食べたときにはプラスの効果がありますが、温まりやすい人が身体を温めるものを食べると、温まりすぎることがあります。温まりすぎると、のぼせ、頭痛、ふらつきなどの血流が盛んになったときに見られる症状が起こります。
身体を冷やしすぎたときには、どんなことが起こりますか?
身体が温まりやすい人が身体を冷やすものを食べたときにはプラスの効果がありますが、冷えやすい人が身体を冷やすものを食べると、冷えすぎることがあります。冷えすぎると、手足だけでなく全身の体温低下、頭痛、腹痛などの血流が低下したときに見られる症状が起こります。
カフェインが多いお茶は身体を温めますか?
カフェインには脳を刺激して興奮ホルモンのアドレナリンを分泌させる働きがあります。アドレナリンの刺激によって脂肪細胞の中の体脂肪が分解され、この脂肪が筋肉細胞の中で燃焼してエネルギーとなります。そのため、カフェインには身体を温める作用があるのです。ただし、アドレナリンが分泌しても体脂肪が分解されにくい体質の人が日本人の30%を占めているので、全員というわけではありません。
身体を冷やす物を食べると体温を上げようとして脂肪が減ることはありますか?
寒い季節には身体を温めて対応するために体脂肪を分解させることで、脂肪がエネルギーとして使われるので、やせやすくなっています。これは身体の外側が冷えていることによって起こることで、身体の中が冷えると血流が低下してしまいます。それに対抗して身体を温めるようとする働きも起こりますが、それ以上に冷やす力が強くなりやすいので、かえって脂肪が燃焼しにくくなってしまいます。
アイスコーヒーは身体を冷やしすぎてしまいますか?
コーヒーは温かいものを飲んでも身体を冷やす作用があるので、アイスコーヒーを飲むと、さらに身体を冷やしてしまいます。身体が冷えやすい人は夏場でもアイスコーヒーを飲まないようにすべきですが、ホットコーヒーは飲んだときは温まっても、だんだんと身体を冷やしていくので、身体を温めるハーブティーなどを飲むようにします。
- 監修者
- 内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
- イラスト
- 日暮ろこ子