3食すべて野菜をとろう

3食すべて野菜をとろう
この記事の概要
  • 野菜の食物繊維でブドウ糖への分解が遅くなる
  • 食物繊維で脂肪の吸収が抑えられる
  • ビタミンは糖質と脂肪のエネルギー化に欠かせない

血糖値を上昇させる炭水化物を食べないようにして、野菜を食べるダイエットに取り組んでいる人は少なくない。野菜にはビタミン、ミネラルが豊富で、食物繊維も多く、エネルギー源の糖質、脂質(脂肪)、たんぱく質も少ない。

太る要因となりそうなご飯や脂肪が多く含まれるおかずを食べない代わりに、野菜を食べるようにしている人がいる。

朝食や昼食をサラダだけにしている人もいるが、1日に食べる量が決まっているなら、2食で食べていたごはんとおかずを3食に分けて、3食すべてで野菜を食べるほうがダイエット効果は高くなる。

ご飯に含まれる糖質のブドウ糖は血糖値を上昇させるが、食物繊維が多い野菜と一緒に食べると消化液が食物繊維の分解に使われる分だけブドウ糖への分解が遅くなり、血糖値の上昇が遅くなることから肝臓での脂肪の合成が抑えられるようになる。

また、食物繊維には脂肪吸収抑制の作用もある。糖質をエネルギーに変えるためにはビタミンB₁が欠かせないが、このビタミンは切干大根やとうがらし、豆類、いも類に多く含まれる。脂肪をエネルギーに変えるために欠かせないビタミンB₂はとうがらし、パセリ、クレソン、豆類などに多く含まれている。

用語の解説

脂肪吸収抑制

食物繊維のうちキノコや海藻、果物に多く含まれる水溶性食物繊維には脂肪を吸着して吸収を抑える作用がある。野菜の根や葉、穀類などに多く含まれる不溶性食物繊維は脂肪を吸着する作用は弱めではあるものの、脂肪とともに胃から小腸まで運ばれることから消化が遅れて、脂肪の吸収が抑えられるようになる。

よくある質問

野菜に含まれる栄養素は、ちゃんと吸収されますか?

食品の中に含まれている栄養素は消化されて、すべてが吸収されるようなイメージがあるかもしれませんが、食物繊維は消化されないので、その中に含まれている成分は外には出てきません。例えば、ビタミンB₁は吸収率が50%以下というように、食品が消化されて出てきた栄養素も、すべてが吸収されるわけではないのです。

野菜にはドレッシングをかけてもよいですか?

ドレッシングは植物油が使われているのでエネルギー量が高く、野菜はヘルシーでもドレッシングで太るということもあります。しかし、脂溶性ビタミンのビタミンA・D・E・Kは油に溶けないと吸収されないので、緑黄色野菜だけを生のままで何もかけずに食べても脂溶性ビタミンは吸収されません。ドレッシングは少しの量なら必要ということです。

野菜にマヨネーズをかけても太らない方法はありますか?

マヨネーズはエネルギー量が10gで70kcalほどもあります。マヨネーズのかけすぎは太る原因になります。マヨネーズは植物油に卵黄もしくは全卵を加えたもので、全卵タイプのほうがエネルギー量が高くなっています。植物油は水溶性食物繊維によって吸収されにくくなるので、サラダには海藻やキノコも使うことで太りにくくできます。

血糖値の上昇を抑えるのに効果がある野菜は何ですか?

ブドウ糖が含まれる糖質は消化が早いほどブドウ糖が早く吸収されて、血糖値も上昇しやすくなります。消化を遅らせるようにするには食物繊維が豊富な食品を食べることです。根菜類は食物繊維が豊富ですが、ゆでたもので比べると100g当たり、ごぼうは約6g、ニンジンは約3g、大根は約1.5gと種類によって大きな違いがあります。

脂肪の吸収を抑えるのに効果がある野菜は何ですか?

水溶性食物繊維は水を吸って膨らみ、その中に脂肪を吸着して、吸収されにくいようにする作用があります。水溶性食物繊維が多く含まれるのは海藻やキノコ、果物ですが、ニンニクや芽キャベツ、ゆりね、らっきょう、エシャロットにも豊富に含まれています。こういったものも食卓に乗せるようにしたいものです。

監修者
内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
イラスト
日暮ろこ子
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