- 野菜ジュースは加熱によって栄養素が減少している
- 食物繊維を取り除かれた野菜ジュースもある
- 野菜ジュースは収穫時期で栄養価が異なる
野菜を食べることができない人、野菜を多く食べられない人が、食べる代わりに野菜ジュースを飲んでいるのは、よく見かけるシーン。
野菜ジュースは野菜の代わりになると思われているからだが、野菜と野菜ジュースの一番の違いは加熱の有無。野菜ジュースが常温で保存できるのは加熱されているからで、濃縮還元と書かれている野菜ジュースは加熱によって乾燥させて粉にしたものに水を加えて戻したもの。
生の野菜にはビタミンやミネラル、ポリフェノールなどの抗酸化成分が含まれているが、加熱や乾燥によって破壊され、量が減るようになる。
野菜ジュースには「1日分の野菜」と書かれたものもある。厚生労働省がすすめる1日の野菜摂取量は350gで、この量の栄養素は含まれている。
ただ、ジュースにするときに食物繊維が取り除かれているものもあるので、このタイプのものはまったく生野菜と同じというわけにはいかない。
濃縮還元の野菜ジュースは、栄養価が高い旬の時期に収穫した野菜を濃縮や粉にして保存して、出荷の前に水で戻すこともあるが、そのままジュースにした野菜ジュースでは、出荷の時期が旬以外の季節の場合には、原料の野菜に含まれる栄養素が少ないこともある。
用語の解説
- 濃縮還元
よくある質問
野菜よりもジュースのほうが栄養価が高いものはありますか?
ジュースにすると食物繊維などが取り除かれるほか、加熱されるものもあるので、栄養価が低下するのが一般的です。その中で生野菜よりも野菜ジュースのほうが栄養価が高いことが知られているのはトマトジュースです。スーパーなどで売られているトマトは完熟する前に収穫されますが、トマトジュースは完熟したものを、すぐに加工するので、ビタミンやミネラルなどが豊富です。
野菜と果物が材料のジュースは、野菜だけのものと違いがありますか?
そのまま加工されたものなら大きな差はありませんが、果物が使われたジュースには飲みやすくするために糖分が加えられたものもあります。そのことはパッケージの成分表示を見れば確認できます。糖分が加えられたものは血糖値が上昇して、肝臓で脂肪の合成を進めるインスリンが分泌されやすくなるので、無添加のものを選んだほうがよいでしょう。
抗酸化成分が多く含まれている野菜ジュースは何ですか?
抗酸化成分は野菜の色素に含まれているので、色鮮やかな野菜が使われたものということになります。一般的な野菜ジュースで抗酸化作用が最も強いのはトマトジュースです。トマトには抗酸化成分のリコピンが豊富に含まれています。ニンジンにはβ‐カロテンが豊富に含まれています。
濃縮還元でも栄養価が高いものはありますか?
濃縮還元をしたものは栄養成分が減少しますが、加熱の度合いによって減少の度合いが違います。商品のパッケージを見て栄養価が高いものを選ぶようにします。材料にビタミンCと書かれているものはジュースにしてもビタミンCが残っているという意味ではなく、酸化しないように抗酸化用にビタミンCが加えられているものです。
野菜ジュースで不足する食物繊維を補うには、どうすればよいですか?
野菜ジュースの中には食物繊維の一部が残されているものもありますが、一般には食物繊維が取り除かれています。食物繊維は野菜に多く含まれているので、野菜ジュースを飲んでいるからと安心するのではなく、根菜類などの食物繊維が多めの食品も必ず食べるようにします。
- 監修者
- 内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
- イラスト
- 日暮ろこ子
