植物油を使いわけよう

植物油を使いわけよう
この記事の概要
  • 植物油は性質によってダイエット効果が異なる
  • リノレン酸は魚油と同じ脂肪酸に変化する
  • オレイン酸は活性酸素を消去して細胞を守る

油はエネルギー量が1g当たり約9kcalあるので、太りやすいイメージがあり、ダイエットの大敵と思われがち。しかし、ダイエットを成功させるために役立つ油もある。

油の性質は、油を構成する脂肪酸によって違っていて、動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸と、植物油や魚などに多く含まれる不飽和脂肪酸に大きく分けられる。

不飽和脂肪酸はn-3系(オメガ3)脂肪酸、n-6系(オメガ6)脂肪酸、n-9系(オメガ9)脂肪酸の種類がある。

n-3系(オメガ3)脂肪酸は大豆油や紅花油、亜麻仁油、エゴマ油などに含まれるα-リノレン酸が代表格で、一部は体内で魚油に含まれるDHAとEPAに変化する。脂肪として蓄積されにくい特徴がある。

n-6系(オメガ6)脂肪酸の代表は大豆油やコーン油などに含まれるリノール酸で、酸化されにくいものの、多く摂りすぎるとコレステロールが増えやすい。

n-9系(オメガ9)脂肪酸の代表はオリーブ油や菜種油、ナッツ類などに含まれるオレイン酸で、酸化しにくいうえに活性酸素による細胞の酸化を防ぐ作用もある。

この中でも特にダイエット効果が高いとされるのが、新鮮なオリーブの実から搾られたn-9系(オメガ9)脂肪酸のエクストラバージンオイル

用語の解説

エクストラバージンオイル

一般のオリーブ油は精製されているためにポリフェノールなどの抗酸化成分が取り除かれているが、エクストラバージンオイルは搾りたてで精製されていないので、抗酸化成分によって体内の炎症を抑え、ダイエット効果を高めることができる。加熱によっても酸化しにくいので、さまざまな料理に使える。

よくある質問

身体によいn‐3系の脂肪酸は、どれくらい摂れば充分ですか?

厚生労働省によるとDHAやEPAといったn‐3系脂肪酸の1日の摂取の推奨量は1g以上となっています。これだけの量を刺身で摂るとなるとマグロ(赤身)では9人前にもなります。イワシなら2尾ですが、これだけの量を毎日、食べ続けなければならないことになります。

新鮮なものでないとダイエット効果は下がりますか?

酸化した魚の油は、分解されにくくエネルギーにもなりにくいので、魚だといっても肉に比べてヘルシーだとは言えなくなります。魚に多く含まれるn‐3系脂肪酸のDHAやEPAは酸化しやすいので、健康と美容のためだけでなく、ダイエットのためにも新鮮なうちに食べるようにしたいものです。

油の酸化を防ぐには、どうしたらよいですか?

酸素に触れた瞬間から酸化は始まります。油の容器のキャップを締めるだけでなく、ラップをかけることで酸素が遮断できます。容器の中にたまった酸素も酸化を進める原因になるので、ビンよりもパウチの容器で空気を追い出したほうが酸化が進みにくくなります。

リノール酸は、どれくらい摂ると身体に悪い影響が出ますか?

日本人の1日のリノール酸の摂取量は13~15gとなっていますが、健康のための摂取量は7~8gだとされています。長年に渡って、この量を超えていると健康被害が出ると言われているので、リノール酸が多く含まれるサフラワー油やコーン油が使われた揚げ物は減らすようにします。

植物油を使わないで魚の油だけを摂っていれば安心ですか?

魚の油は植物油よりもヘルシーかもしれませんが、必ず摂らなければならない必須脂肪酸には摂りすぎると害が出るとされるn‐6系脂肪酸も含まれています。これらのn‐6系脂肪酸のリノール酸やγ‐リノレン酸、アラキドン酸も少量でもよいので摂るようにします。

監修者
内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
イラスト
日暮ろこ子
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