vol.173 - 適度なアク抜きで、おいしく栄養をとろう

要点のまとめ
  • アクはたんぱく質やミネラルが結びついたもの
  • アク取りによってミネラルが減少する
  • アクは小腸でのミネラルの吸収を妨げる
適度なアク抜きでおいしく栄養をとろう

煮物をすると出てくる白色や茶色の不純物のアクは、漢字では灰汁と書く。

灰汁は、もともとは灰を水に浸して上澄みをすくった液のことで、灰汁を使うと食品の強いクセを弱めることができるが、そこからクセのある味や嫌な味もアクと呼ばれるようになった。

煮物で出るアクはたんぱく質や苦味の原因となるシュウ酸に、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが結びついたもの。

硬水にはカルシウムとマグネシウムが多く含まれていて、硬水地域のフランスなどでは肉を煮ることで出たアク取りをすることによって水に多く含まれたカルシウムとマグネシウムを減らして、スープの味をよくする目的で行われている。

アク取りをするとミネラルが減ると同時に、食品が持つ風味が失われることがある。

しかし、アクが含まれたままの煮物やスープを食べると、さらにアクがミネラルを吸着したり、シュウ酸がカルシウムと結びついてシュウ酸カルシウムとなってカルシウムの吸収率を低下させることにもなる。

そのためアク抜きも必要になる。余分なアクを取るようにすると、ミネラルの吸収がよくなるという効果もあるので、あまりアク取りをしすぎず、適度なところでやめておくのが、おいしく、しかも栄養素を摂る方法といえる。

用語解説

アク抜き

シュウ酸はほうれん草などに含まれる刺激性の物質。以前のほうれん草にはシュウ酸が多く含まれていたため、茹でてから水にさらしてアク抜きをしないと食べられなかったが、現在のほうれん草は品種改良によってシュウ酸が少なく、サラダでも食べられるようになった。

Q&Aコーナー

アクを全部取ったら栄養が失われてしまいますか?

煮物をしたときに出るアクは、たんぱく質などにカルシウムとマグネシウムが結びついたものなので、アク取りによって減る栄養素はカルシウムとマグネシウムです。そのほかの栄養素は残ります。ただ、カルシウムは不足しがちなミネラルなので、アクとともに減る栄養素は他の食品で摂るようにします。

アク取りをしないで済む料理法はありますか?

たんぱく質とシュウ酸にカルシウムやマグネシウムが結びつくことでアクができるので、たんぱく質やシュウ酸、もしくはカルシウムやマグネシウムがあまり含まれていない食品で作られたスープならアクはほとんど発生しません。少しくらいアクができても、身体にはほとんど影響がないといえます。

シュウ酸が多く含まれた食品は何ですか?

シュウ酸が一番含まれている食品はほうれん草です。以前のほうれん草はアク抜きをしないと食べられなかったものですが、今ではサラダでも食べられるようになっています。それだけシュウ酸が少なくなっています。そのほかにシュウ酸はタケノコ、サツマイモ、レタス、ブロッコリーなどに含まれています。

カルシウムが多く含まれた食品は何ですか?

カルシウムが不足している人が摂るべき食品として牛乳や乳製品(チーズやヨーグルトなど)があげられていますが、骨ごと食べられる小魚や大豆などもカルシウムが豊富に含まれている食品です。海藻ではひじきやわかめ、種子のゴマ、えんどう豆などにも豊富に含まれています。

マグネシウムは多く摂るほど健康になることができますか?

マグネシウムが不足すると食欲不振や疲労感、筋肉痛、めまい、イライラなどを起こします。マグネシウムは多く摂りすぎても尿から排泄されるので一般には問題はありません。ただ、マグネシウムは腸の働きを盛んにするので、摂りすぎると下痢を起こすこともあります。

《監修:内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
《イラスト:日暮ろこ子》