- 乳酸菌は腸内細菌の善玉菌の働きをする
- 腸内の善玉菌を増やすだけでなく免疫にも作用する
- 乳酸菌によって特に作用する機能が異なっている
乳酸菌には、いろいろな種類がある。
腸内環境の改善をうたった乳飲料やヨーグルトに使われている乳酸菌のほとんどは腸内の善玉菌を増やすプロバイオティクスとしての働きがある。
乳飲料で有名なシロタ株(ラクトバチルス・ガゼイ・シロタ)は整腸作用が強く、花粉症の軽減や病原菌の定着を防ぐといった作用が認められている。
ラブレ菌は京都の漬物のすぐきから発見された植物性乳酸菌で、胃酸で破壊されずに腸まで届いて、免疫細胞のナチュラルキラー細胞の働きを高めることが知られている。
米から発見された植物性乳酸菌のK-1は整腸作用とともに変異原性物質(細胞の遺伝子を損傷させて突然変異を起こす物質)の除去作用が認められている。
BE80菌は生存率が高い乳酸菌で便の腸管通過時間を短縮させる働きがある。
R-1の乳酸菌の正式名称はブルガリア菌の1073R-1で、免疫向上の中でも風邪やインフルエンザの予防作用がある。
L-92(ラクトバチルス・アシドフィルスL92株)はアレルギーに関係する免疫を調整することが認められている。
LG21は胃がんの原因とされるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の活動を抑えるのが特徴となっている。
用語の解説
- ナチュラルキラー細胞
よくある質問
乳酸菌で花粉症が軽減されるのは、どうしてですか?
花粉症は免疫細胞の過剰反応によって起こっています。免疫細胞のヘルパーT細胞の2型(Th2細胞)が1型(Th1細胞)よりも多いことでアレルギー反応が起こりやすくなります。乳酸菌には1型を増やす作用があり、ヘルパーT細胞のバランスを整えることで免疫細胞の過剰反応を抑えることができると考えられています。
乳酸菌は胃で、どれくらい破壊されてしまうのですか?
胃液は雑菌などを体内に入れないように強酸性に保たれています。乳酸菌も菌の一種なので、胃液によって多くが破壊されます。そのため、乳酸菌を届けたい腸まで到達するのは、わずかな量になります。代表的な腸内細菌のビフィズス菌は強酸性の胃液で99%以上が死滅すると言われます。
胃で乳酸菌が破壊されにくくするには、何をすればよいですか?
乳酸菌は胃液で死滅するといっても、それは胃液に分泌されて濃い状態になっているときのことで、空腹時に乳酸菌が含まれたヨーグルトやサプリメントを摂っても生きて腸まで届きにくくなっています。食事をしたあとには胃液が薄まっているので、このときに乳酸菌を摂ると生き残る量が増えるようになります。
免役を高めるには乳酸菌を、どれくらい摂ればよいですか?
乳酸菌の量は商品によって10億個から1兆個以上と、大きな差があります。多ければよいというものではなく、100億個ほどで充分と考えられています。腸内細菌は100兆個以上が腸内に存在していますが、このうちの20%ほどが善玉菌となっていれば腸内環境が整えられるので20兆個となっていますが、この善玉菌に対して1日当たり100億個が届けられるだけで腸の状態を正常に保つことができるといわれます。
乳酸菌がピロリ菌を抑えるのは、どうしてですか?
ピロリ菌はアルカリ性の成分を作り出すことで胃の中で胃酸を薄めて、生き続けることができます。乳酸菌の酸性成分がピロリ菌のアルカリ性成分より勝ってピロリ菌が退治できるということですが、多くの乳酸菌は胃液によって死滅するので、その力はありません。乳酸菌の中に胃で生き抜く力が強く、ピロリ菌と戦うものがあります。それはLG21というタイプの乳酸菌です。
- 監修者
- 内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
- イラスト
- 日暮ろこ子