- お茶に含まれるカフェインがアドレナリンを分泌させる
- アドレナリンが脂肪の分解を進めて燃焼を促進する
- 眠気を覚ます程度の量を飲むだけで効果あり
「眠気覚ましにはコーヒーや緑茶が効く」というのは、これらのお茶にはカフェインが多く含まれているから。
カフェインを摂ることで眠気が吹き飛んで頭が冴えるのは、カフェインが脳を刺激して、興奮作用があるアドレナリンを分泌させる仕組みのおかげ。
アドレナリンには脂肪細胞に蓄えられた体脂肪を分解して血液中に出す働きと、筋肉に運ばれた脂肪を燃焼させる働きがある。
そのために、カフェインが含まれたお茶を飲むと脂肪が分解されるようになるが、そのあと何もしなくても脂肪が燃えるというわけにはいかない。
アドレナリンが出た状態で運動をすると脂肪が燃焼しやすくなるが、身体を動かさないでいると、せっかく血液中に出た脂肪が、必要のないものとして再び脂肪細胞に戻ることになる。
だから、コーヒーなどを飲んだあとには運動をすることが大切になる。
カフェインを多く摂れば、それだけ脂肪の燃焼が進みそうだが、アドレナリンの分泌量には限度がある。また、アドレナリンには血管収縮の作用があって血液の流れを低下させるマイナス作用もある。
血流が悪くなると筋肉に運ばれる脂肪の量が減って、脂肪の燃焼量も減ることになるので、コーヒーや緑茶を運動の前に飲むには1杯ほどの量で充分といえる。
用語の解説
- 血管収縮
よくある質問
カフェインで、どれくらい脂肪が分解されますか?
個人差はありますが、カフェインを摂ってアドレナリンが分泌されることで、脂肪が分解されやすい人の場合は15~20%ほど多くの脂肪が分解されるとの報告もあります。それに対して、脂肪が分解されにくい人の場合には多くても5%ほどと大きな差があります。分解されにくい人はカフェインを多く摂っても効果は表れにくくなっています。
誰でもカフェインで脂肪が分解されますか?
カフェインを摂ることでアドレナリンが分泌されて脂肪が分解されるように身体はできています。これは興奮状態になるとエネルギーが多く必要になるからです。しかし、アドレナリンが分泌されても、アドレナリンの刺激を受ける受容体の働きが弱い遺伝子を持つ人の場合には、お茶の効果は表れにくくなっています。
お茶は、いつ飲むのが効果的ですか?
アドレナリンが分泌されて分解された脂肪は、運動など身体を動かすことでエネルギーとして使われます。アドレナリンが分泌され、脂肪が分解されて血液中に出てくるまでには30分ほどかかります。だから、ダイエット効果を求めて、お茶を飲む場合には運動の30分前に飲むことが必要になります。
お茶は濃いほどカフェインを多く摂ることができますか?
お茶は茶葉を入れて長く置いておくほど成分が多く出て、カフェインも多く出るようになります。しかし、もともとの茶葉にカフェインが多く含まれていなければ時間をかけてもカフェインが多く出てこないのは当たり前のことです。カフェインが多く含まれるのは玉露、ドリップコーヒー、抹茶、ココア、紅茶、ほうじ茶、緑茶、玄米茶の順です。
コーヒーなど以外でアドレナリンを多く分泌させる方法はありますか?
アドレナリンが多く分泌されるのは興奮状態になったときで、タバコを吸ったときにも多く分泌されます。しかし、これは健康的ではありません。健康的にアドレナリンを多く分泌させる最もよい方法は走ったり、長い時間をかけて歩いたりしたときで、身体に負担がかかるほどアドレナリンの量は増えていきます。
- 監修者
- 内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
- イラスト
- 日暮ろこ子