- 前傾姿勢になって前に倒れる寸前に一歩踏み出す
- 腹筋と背筋が適度に緊張を保たれたまま歩くことができる
- 全身に筋肉を使って歩けるのでダイエット効果が高い
歩くには左右の足を交互に前に出せばよい――というのは正解であっても、それだけではダイエットに有効な歩き方とはいえない。
歩くときに使う筋肉は足だけでなく、腰から腹部、上半身、そして身体の奥の体幹の筋肉までが使われている。その筋肉を効果的に使わないと効果的に走ることはできないが、それと同じように歩くときにも全身の筋肉を使うことで歩くことがウォーキングになり、ダイエット効果が高まることになる。
その感覚をつかむためには、まず直立の姿勢から徐々に前に体重を移していて、前に倒れる寸前に右足を出して身体を支える。この前傾姿勢が理想的なウォーキングの体勢で、これを保ちながら左右の足を交互に前に出していくと、腹筋と背筋を適度に緊張させたまま前進できる。
この歩き方だと歩幅が自然に広くなり、それに合わせるように腕の振りも大きくなる。前傾姿勢のままで顔を上げるとアゴが突き出た形が悪いスタイルになるので、アゴを引いて、目線は前方5~10mほどに送るようにする。
この走るような感じの歩き方は運動科学の世界ではジョグウォークとも呼ばれているが、この歩き方だと早歩きをすることもできるし、ゆっくりと歩くとスロートレーニングにもなる。
用語の解説
- ジョグウォーク
よくある質問
腕を大きく振って上半身を動かしたほうが歩く効果が高まるのではないですか?
歩くことは主に下半身の筋肉を使うので、上半身の運動効果は弱くなっています。腕を大きく振って、上半身を大きく動かすと運動効果は高まりそうな感じがします。しかし、腕を大きく振って歩くことは、そう長くは続けられません。それよりも普通の歩き方でよいので、長めに歩くようにします。
疲れずに上半身も鍛える歩き方はありますか?
腕を大きく振って歩くだけでは思ったよりも運動効果は高まってはくれませんが、上半身を使って運動効果を1.3~1.5倍にもする方法があります。上半身の運動効果だけでなく、全身の運動効果を高めてくれるものですが、それはノルディックウォーキングです。ノルディックスキーと同じようにストック(ポール)を使って歩く方法です。
ゆっくりと歩くスロージョギングは脂肪が燃焼しやすくなりますか?
歩くスピードで走るスロージョギングは、走るのに比べると身体の負荷は少ないのに、歩くのに比べると1.5倍ほどの運動効果があります。有酸素運動の効果は特に高く、全身の筋肉への血流が盛んになり、酸素供給量も高くなるので、脂肪の燃焼量も1.5倍に高めることができます。
歩く効果を高める方法はありますか?
同じように歩いても、体重が重い人のほうが筋肉への負荷が強くなり、エネルギーを多く使うようになります。体重が多いのと同じ効果を得るには、荷物を背負って歩くことです。また、坂道を歩くと平坦な道を歩くのに比べてエネルギー消費量が多く、10度の坂道で3倍、20度の坂道で6倍にも増えるとの報告があります。
歩く効果を高める準備運動は何ですか?
歩く前の運動は、筋を延ばし、関節の動きをスムーズにして、正しい姿勢で歩けるようにすること、ケガがないようにすることが主な目的です。もう一つの目的は、筋肉の脂肪燃焼効果を高めることで、そのためには足の筋肉を大きく、強く運動させる、膝を深く折り曲げる屈伸運動です。
- 監修者
- 内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
- イラスト
- 日暮ろこ子