- 腸内細菌の悪玉菌が作り出した有害物質が代謝を低下させる
- 善玉菌を増やして、悪玉菌の増殖を抑える
- 毎朝の“定期便”で有害物質を早めに出そう
全身の細胞は、水分が充分にあり、必要な酸素と栄養成分が送り込まれることと、細胞の新陳代謝で発生した老廃物が排出されることで、本来の働きをする。
細胞の中から排出された老廃物は血液の中に入って、血管を通って、肝臓に運ばれ、肝臓で解毒される。老廃物が多くなって、細胞の周りに残っていると、細胞から排出されにくくなり、細胞の働きが低下するようになる。
その働きの低下に拍車をかけるのが血液中に入り込んだ有害物質。有害物質が入り込むルートは2つあり、1つは口から入ってきたもの。農薬や食品添加物、化学物質などがあげられる。
もう1つは大腸から取り込まれたもので、腸内細菌の悪玉菌によって有害物質が作り出される。この有害物質は大腸壁から吸収されて血液中に入り、肝臓まで運ばれる。
悪玉菌が増えると肝臓で処理できないほどの有害物質が作られて、全身を巡るようになり、全身の細胞の代謝を低下させることになりかねない。
これを防ぐには、腸内細菌の善玉菌を増やすことが重要で、善玉菌になる乳酸菌を摂ると同時に、善玉菌の栄養源になるオリゴ糖などの糖質や食物繊維を摂ることが必要となる。善玉菌が増え、悪玉菌の増殖が抑えられれば、大腸内の有害物質を早く排出できるようになる。
用語の解説
- 善玉菌の栄養源
よくある質問
水を多く飲めば、やせられますか?
体内の水分が減ると代謝が低下してエネルギー消費が下がるわけで、水を飲んだからといって代謝が高まるわけではありません。水分が不足している人なら水を多く飲むことで代謝が高まりそうですが、実際には健康な状態なら多くの水分を飲んでも余分なものは排泄されるので、通常の状態よりも高まることは、あまり考えられません。
肝臓に負担がかからなければ代謝は高まりますか?
肝臓の状態が低下すると代謝は低下しますが、肝臓に負担をかけるお酒や薬などを摂らなければ肝臓の機能は保たれます。だからといって、肝臓の働きをよくすれば代謝が高まる一方というわけではありません。食べすぎると、肝臓で処理する量が増えるので肝臓に負担がかかります。こういう人はダイエットすることで代謝を高めることができます。
肝臓の解毒をよくして代謝を高めるためには何をすればよいですか?
肝臓の働きをよくする機能性成分のウコンやオルニチンなどを摂ると代謝が高まりそうな感じがしますが、これらの成分を分解するときには肝臓に負担がかかります。多くの量を摂ると負担が大きくなるので、お酒を飲む人は適度な量を超えないのが代謝を保つためには必要なことです。
乳酸菌は、すべて善玉菌になりますか?
腸内細菌の善玉菌は主に乳酸菌ですが、乳酸菌を食品などから摂っても、腸の中に定着するわけではありません。定着できるのは1~2日と言われているので、乳酸菌を摂るほど善玉菌が増えるわけではありません。減らさないようにはできるので、乳酸菌は少しずつでもよいので毎日、摂るようにしたいものです。
オリゴ糖を摂れば、善玉菌が増えますか?
オリゴ糖はビフィズス菌のエサになる栄養源で、すべての善玉菌を増やしてくれるわけではありません。若いときには善玉菌のうちビフィズス菌の割合が多いのですが、年齢を重ねるほど減っていくので、善玉菌を全体的に増やすエサとなる糖分や乳製品に含まれる乳糖、食物繊維を摂るようにします。
- 監修者
- 内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
- イラスト
- 日暮ろこ子