- ストレスによって下痢になる人と便秘になる人がいる
- 過敏性腸症候群はストレスによって便秘と下痢を繰り返す
- 排卵から生理までの期間は便秘になりやすい
腸の状態がよくて、快適な便通があることが健康的な生活の基本であり、ダイエットを成功させるためにも大切になる。
便通には自律神経が大きく関係していて、ストレスを溜め込むと興奮作用がある交感神経が働きすぎになり、腸が緊張して大腸から直腸までスムーズに進まなくなって便秘になったり、逆に自律神経の乱れのために大腸と直腸の間にあるS状結腸の緊張が保たれずに早く通過することも起こる。
大腸では時間をかけて水分を吸収しているが、それが早く通過すると水分量が多いまま出るので軟便や下痢になりやすい。ストレスがかかると便秘になる人もいれば下痢にもなる人もいるが、中には便秘と下痢を交互に繰り返す過敏性腸症候群になる人もいる。
女性は男性の2倍ほどの過敏性腸症候群になりやすい。女性の脳は男性に比べると脳梁が太くてストレスに強い仕組みになっているが、それでも過敏性腸症候群が多く見られるのは、弱いストレスであっても自律神経の乱れによって腸の機能が低下しやすく、便通に影響が出やすいからとされる。
排卵から生理までの期間には女性ホルモンのプロゲステロンの働きによって大腸から吸収される水分が多くなるので、便秘になりやすい傾向がある。
用語の解説
- 脳梁
よくある質問
ストレス性の便秘にならないようにする方法はありますか?
便秘を気にすると、それがストレスになって、かえって便秘が解消しにくくなるというのがストレス性の便秘の特徴です。リラックス効果があるものを使ってストレスを解消するのも方法の一つですが、便秘がひどいときには軽い薬を使って、とりあえずストレスの原因にもなっている便秘をクリアするのも一つの方法です。
ストレスを軽くして便通を整えられますか?
ストレスは緊張を高めてしまうので、入浴やアロマ、音楽などによってリラックスすることで緊張を緩和することはできます。それによって便秘や下痢を解消できる人がいる一方で、それだけでは解消できない人もいます。ストレス解消だけでなく、便通を整える乳酸菌や食物繊維なども使うようにします。
水を多く飲むと便秘は解消されますか?
水分が少ないことが便秘の原因ではあるものの、水を多く飲むことで、それが大腸の水分量を増やしてくれるとは限りません。大腸の水分が足りなくなるのは、腸での水分の吸収が多くなるからです。腸内の水分を増やすには、水を含んで膨らんだまま大腸まで進んでいく水溶性食物繊維が含まれるキノコや海藻、果物などを摂ることです。
水を多く飲むと下痢になりますか?
下痢になると水分が多く出ることから、水を飲むと下痢になる、水を飲まないようにすれば下痢が防げる、と思っている人もいます。それは逆で、水が多く出るということは、その分を飲んで補っておかないと、全身の水分が不足して代謝が低下することにもなります。
お酒を飲んだ翌日に下痢になりやすいのは、どうしてですか?
アルコールには腸からの水分の吸収を抑える作用があり、飲酒量が多くなるほど大腸内の水分が多くなることで下痢になりやすくなります。下痢まではいかなくても軟便になる人は少なくありません。こういった人は禁酒をするか飲む量を減らすのが一番の解決策です。
- 監修者
- 内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
- イラスト
- 日暮ろこ子