ウォーキング後の30分を意識しよう

ウォーキング後の30分を意識しよう
この記事の概要
  • ウォーキングは最大酸素摂取量の50~60%の効果
  • 運動後にも30分間は脂肪が燃焼している
  • 筋肉を冷やしても温めても運動の脂肪燃焼が低下する

歩くことでも運動になると言われる。それは運動によって行われる酸素を取り込み、糖(ブドウ糖)と脂肪(脂肪酸)を燃焼させる細胞内のミトコンドリアの活性が、歩くだけでも起こっているから。

最も苦しい全力での疾走のときに呼吸によって取り込んでいる酸素の量を最大酸素摂取量というが、それに比べてウォーキングによる酸素摂取量を運動負荷テストによって調べてみると、最大酸素摂取量の50~60%のときに取り入れる酸素量が適度に増え、脂肪の燃焼効率も高まっていくことが知られている。

運動をしているときだけでなく、運動を終えてからも脂肪は燃焼している。その燃焼の期間を長引かせる効果もウォーキングなどの有酸素運動にはある。

運動後の代謝を長引かせるためには、脂肪を主に燃焼させている筋肉を冷やさないようにすることが大切で、運動の脂肪の燃焼は30分ほどは徐々に燃焼効率を低下させながらも続いている。

そのため、冷水や氷、冷却スプレーなどを使ったクールダウンは、すぐには行わないようにする。逆に、筋肉が温まりすぎると脂肪を分解する酵素のリパーゼの働きが低下するので、運動後に入浴するのは30分たって脂肪の燃焼が低下してからにしたほうがよい。

用語の解説

運動負荷テスト

運動をしているときの心拍や血圧、心電図などの医学的な身体の変化を確認して、安全に運動を行うために実施する体力測定。負荷をかけた状態で運動を行って測定する。階段の昇り降りを2~3分続ける方法や、自転車こぎをする自転車エルゴメータ、回転するベルトの上を歩いたり走ったりするトレッドミルなどの方法がある。

よくある質問

呼吸数を高めなくても脂肪が燃焼するようにできますか?

運動によって呼吸が増えれば脂肪の燃焼が進みますが、脂肪の燃焼は呼吸数に比例するものではなく、呼吸数が一定であっても燃焼を進めることができます。脂肪を分解するカフェインを摂ること、酸素を多く取り込むこと、脂肪を燃焼するために必要なビタミンB₂を摂ることといった方法があります。

筋肉を温めれば脂肪は燃焼するようになりますか?

運動をすれば筋肉が温まり、筋肉が脂肪を燃焼する効果も高まります。筋肉が温まった状態で運動をすれば脂肪の燃焼効果は高まっていきます。身体を温め、筋肉が温まった状態で、じっとしているだけでは、脂肪の燃焼は進んではくれません。筋肉を温めて、できるだけ身体を動かす機会を増やすことです。

歩くと息が切れやすい人は脂肪が燃焼しやすいのですか?

歩いて呼吸が早くなるのは、それだけ酸素を早く、多く必要としているからです。息が切れているときには多くの酸素が取り込まれている感じがしますが、酸素を取り込む力が強く、酸素をエネルギーに変える力が強い人は、同じ運動をしても息が切れにくくなっています。息が切れやすい人は、むしろ脂肪が燃焼しにくいといえます。

運動後にぬるめのお湯に入ればリパーゼの働きは低下しませんか?

ぬるめの温度でも、温まった筋肉にとっては筋肉を温める熱源になります。そのため、運動をして筋肉が温まっていると、筋肉の中のリパーゼの温度が高まりすぎることになり、リパーゼの働きが低下することになります。運動後は、ゆるめであっても入浴を避けることです。

運動後にシャワーを浴びてもよいですか?

シャワーを浴びると身体が温まりますが、シャワーの熱は筋肉の中には、あまり入っていきません。だから、シャワーを浴びても筋肉の温度は高まらず、リパーゼの働きが低下するようなことはありません。そのため、運動直後は入浴ではなく、シャワーで済ませるようにします。

監修者
内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
イラスト
日暮ろこ子
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