- 睡眠が深くなければ長く寝ても効果が低い
- 熟睡していると疲労回復も脂肪の分解も進む
- 適度な疲れが眠りを深くしてくれる
睡眠時間が長ければ、それだけ睡眠の効果が得られるわけではない、睡眠の効果は一般には「睡眠の深さ×睡眠の時間」で考えられている。
睡眠時間が長くても眠りが浅いと、睡眠の効果である疲労回復や筋肉増強、そして体脂肪分解といった結果が得られにくくなる。睡眠時間が短くても、しっかりと熟睡していれば睡眠によるダイエット効果が得られることになる。
疲労には疲労物質とされる乳酸が関係していて、熟睡することで乳酸の分解が進み、筋肉の代謝が高まるようになる。
筋肉を増やす働きがある成長ホルモンは深夜の0~2時に多く分泌され、この時間帯に熟睡していることで分泌量が増やすことができる。
また、脂肪を分解する働きがあるホルモンのコルチゾールは深夜の2~4時に多く分泌され、この時間帯に熟睡していることで、やはり分泌量を増やすことができる。
熟睡するためには適度な疲労感が必要で、昼間の時間帯の運動、就寝前の入浴やストレッチなどをすることで眠りにつきやすくなる。
睡眠は90分の周期で、45分間で眠りが深くなり、続く45分間で眠りが浅くなっていく。眠りについてから初めの45分で最も深い眠りに入るので、0時前後には就寝することが大切になる。
用語の解説
- 体脂肪分解
よくある質問
寝つけないときには何をすればよいですか?
眠りにつけないときには、なんとか眠ろうと焦ったり、気持ち的に頑張ると、かえって眠れなくなります。眠りにつくために一番よいのは“何もしないこと”。余計なことを考えるのではなく、どうせ寝ている間は何もできないのだからと割り切って、目を閉じると案外と眠れるものです。
いびきをかいているのは眠りが深いのですか?
いびきをかいていると、いかにもグッスリと寝ている感じがしますが、睡眠の深さでいうと浅い状態となっています。ただ、いびきをかくから眠りが浅い、かかないから深いということではなく、浅くなったときの証拠のようなものなので、あまり気にしないでも大丈夫です。
太っているのは睡眠が浅いせいですか?
眠りが深くても太ってしまう人はいます。太る、やせるに一番影響するのは食事の量と運動の量です。たくさん食べて、腹いっぱいになって、グッスリと眠っても、これではやせにくいのは当たり前のことです。食べる量がコントロールできているなら、眠りが深いのは筋肉を増やしてやせる体質にする大切な方法です。
寝るのが深夜の0時を過ぎたら太ってしまいますか?
成長ホルモンが多く分泌されるのは0~2時ですが、睡眠が深いときに出るので、分泌しやすい時間を考えると、1時までに寝ていれば、成長ホルモンの分泌量が減るようなことはなくなります。眠る時間が遅くなっても寝つきがよければ、太りにくくなるのは当然のことです。
途中で目覚めたらダイエット効果はないですか?
就寝中に目が覚めるのは眠りが浅いせいか、たまたま眠りが浅くなったときに物音がしたり、トイレに行きたくなって目覚めるかが考えられます。ずっと眠りが浅くなっていたら睡眠によるダイエット効果は低くなるかもしれませんが、周期的に深い、浅いを繰り返しているならダイエット効果は下がりません。
- 監修者
- 内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
- イラスト
- 日暮ろこ子