- 有酸素運動をしても部分やせができるわけではない
- 筋肉運動で気になるところを引き締めていくことができる
- 筋肉運動に有酸素運動をプラスすれば部分やせが実感できる
やせたいと願っているところだけがやせられる“部分やせ”は魅力的な言葉。
食事の量を減らしたり、運動の機会を増やすことで部分的に皮下脂肪や内臓脂肪を落とすことができればうれしいことだが、残念ながら身体は、そんなふうにはできていない。
食事で摂ったり、肝臓で合成される脂肪が多くなると、全身の脂肪細胞には同じように脂肪が蓄えられていく。そして、ダイエットをすると全身の脂肪細胞から同じように脂肪が分解されて出ていくようになる。
脂肪がつきやすい部分は、脂肪細胞の数が多いところなので、太りやすく、やせにくい部分だといえる。そんな身体の仕組みではあっても引き締めて、部分的にやせたようにすることはできる。
そのためには筋肉を鍛えることが大切で、筋肉が刺激されていると収縮して、脂肪を押さえられるようになる。引き締まって、部分やせが実感できると、それが励みになって、さらに引き締めるための運動をする気になってくる。
筋肉運動は体脂肪を減らす効果は弱いものの、有酸素運動をプラスすると全体的に体脂肪が減ってくるので、ますます部分やせが見えるようになる。部分やせの結果は、モチベーションを高め、継続的な運動の効果を実感させてくれる。
用語の解説
- 部分やせ
よくある質問
気になるところを揉んで脂肪はなくならないのですか?
脂肪は大事なエネルギー源なので、外部から圧力を与えたくらいでは脂肪細胞の中から出ていくようなことはありません。揉むことによって移動するのは脂肪細胞に蓄積された脂肪ではない遊離脂肪酸です。脂肪細胞の中の脂肪が減ることも、なくなることもありません。
脂肪細胞の数は減らせないのですか?
脂肪細胞が多いと、それだけ蓄積されるところが多いので、脂肪細胞を多くためることができる身体になれます。つまり太る体質になるということです。脂肪細胞は、蓄える脂肪が増えると増加するようになりますが、一度増えた脂肪細胞は減るようなことはありません。
太っている人は脂肪細胞の数が多いのですか?
太っている人は脂肪細胞の数が多いのが原則ですが、男性の場合には脂肪細胞の数が大きく増えるのは成長期で、20歳を過ぎると脂肪細胞の数は増えません。女性は40歳前後に太っていると脂肪細胞の数が増えます。それ以降は増えにくいので、一つひとつの脂肪細胞の中に脂肪が多く入って、脂肪細胞が膨らんだ状態になっています。
お腹の脂肪を押さえるためには何をすればよいですか?
脂肪細胞のうち内臓脂肪が多いお腹周りは、運動不足になると筋肉が弱ってくるので、多くたまった脂肪の圧力に負けて、お腹が出てくるようになります。それを抑えるためには腹筋運動をします。勢いをつけて起き上がるきつい運動よりも、数多く腹部の筋肉を動かす負荷が低い回数勝負の腹筋運動が効果的です。
筋肉運動で脂肪を燃やすことができますか?
負荷がかかる筋肉運動は無酸素運動です。脂肪を燃焼させるためには酸素を多く取り込む有酸素運動が効果的です。筋肉を強く刺激して、筋肉を鍛える運動よりも、負荷が軽くて長時間続けられる運動、つまり歩く、走る、自転車をこぐ、泳ぐといった運動をすることです。
- 監修者
- 内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
- イラスト
- 日暮ろこ子