これは、同社が、健康日本21推進フォーラムと連携し、QOLの実現に向けて展開するさまざまな活動の一環として行ったもの。
同セミナーでは、「健康日本21AHL(Active Healthy Lifestyle)プロジェクト」のアドバイザーであり、厚生労働省が定めた健康づくりのための運動基準2006策定の中心メンバーだった宮地元彦氏(国立健康・栄養研究所健康増進研究部長、運動ガイドライン研究室長(併任))を迎え、「新しいエクササイズガイドラインの方向性~安全で効果的な運動指導と水分補給~」と題した講演が行われた。
講演内容は、同氏も研究を推進する、新しい運動基準の方向性を示すもので、当日は、日本栄養・食糧学会員らと積極的な議論交換も行われた。
厚生労働省は、30分間の余暇に行われる運動を、週に2回以上、1年以上継続して行っている人を『運動習慣者』と定義している。身体活動の中で代表的な指標となっているのが歩数。宮地氏によれば、歩数はすべての世代において、この10年間で1日あたり1000歩減少しており、これをカロリーに直すとおよそ1日あたり30キロカロリーだが、1年間では約1~1.5キロの体重増加に匹敵するため、非常に重要な問題であるという。
また、意識的に運動を心がけている人の割合は確かに増加しているが、習慣的な運動を実践できている人の割合は変わらず、特に20代から40代ではその傾向が顕著で、運動の重要性は理解しているが行動に結び付いていないと考えられるという。
このような評価結果から、宮地氏は、新しい「健康日本21(第2次)」では、「若者の運動習慣者の増加」「歩数の1500歩/日の増加」「個人にとどまらず、自治体単位での対策推進」の3つを大きな目標として取り組んでいくと述べた。
そのほか、宮地氏は講演の中で、社会機能低下の予防に身体活動や運動習慣が有効であるといった運動基準改定に関する新しい知見の紹介、運動中の水分補給の意義、「31度以上は激しい運動を、35度以上は中強度以上の運動を中止する」など熱中症予防のポイントについても解説した。
日本コカ・コーラは、多くの人々の健康に対する意識の向上と生活の中に少しでも運動を取り入れる身体活動の啓発を促すために、同様のプロジェクトを推進していく予定だ。