




夏の果物の代表格ともいえるスイカだが、もともと日本の果物ではなく、16世紀にポルトガル人から伝えられたという説がある。スイカは、果汁の90%以上が水分だが、ビタミンAやカリウムなどのミネラルが豊富。エネルギーへの転換の早い果糖やブドウ糖が含まれている。
さらに、みずみずしい果実や果汁の赤色色素はリコピンとカロチンの混合物で、ビタミンCやシトルリンといった栄養素も摂取できる。リコピンとは、シミ・ソバカスの原因となる活性酸素を減らす力が強く、ビタミンCは肌のハリや弾力に欠かせないコラーゲン繊維の合成に重要な役割を担う栄養素である。
つまり、スイカを食べることで、熱中症や夏バテ防止、さらには日焼け予防にも良い栄養素を摂ることができるのだ。さらにうれしいことがもう1点。スイカはカロリーが低いため、ダイエッターにもおススメの食べ物といえる。
とはいえ、三角状にカットしたスイカを手に持ってかじると、果汁が垂れて口の周りや手がベタベタになってしまう。また、種を取ったり、食べないようにするのは手間がかかるため、スイカを食べるのはちょっと面倒……と思っている人もいるのではないだろうか。
タキイ種苗株式会社が20代から60代の男女322名を対象に『スイカ』について実施した調査では、スイカが「好き」と答えた男性は82.7%、女性は86.9%で、ほとんどの人がスイカを好んでいることがわかった。また、『夏場にスイカを食べる頻度は?』と質問したところ、「週に1回から2回」が25.2%で、「月に1回から2回」が42.2%となり、「ほとんど食べない」という人が20.5%という結果になった。
スイカは好きだが、あまり食べないという人が多い中、どのような方法でスイカを食べているのか聞くと、第1位は「そのまま」、第2位は「塩をかける」、第3位は「冷やす」、第4位は「小さく切る」、第5位は「ジュースにする」だった。
この結果からわかるとおり、スイカの王道の食べ方は「そのまま」がトップだったが、5位の「ジュースにする」場合は、より多くの栄養素を摂れるだろう。例えば、最近よく耳にする“スムージー”にすれば、スイカの種に含まれる栄養素もしっかり摂取できる。夏の暑さで疲れた身体への栄養補給として、スイカに注目してみてはどうだろうか。