去る12月10日、都内にて、『乳酸菌セミナー 2013冬』が行われた。
同セミナーは、雪印メグミルクが主催となり、「ガセリ菌SP株」の紹介や研究結果のほか、健康効果の可能性を紹介するもの。
ガセリ菌SP株とは、グラム陽性桿菌(かんきん)のラクトバチルス属ガセリ菌の菌株のひとつで、乳酸菌の一種と考えられている。特長は、胃酸によって死滅せず、生きたまま腸まで到達し、長くとどまる性質をもつこと。また、ガセリ菌SP株は、腸内環境を整える「善玉菌」でもある。
今回のセミナーでは、「ガセリ菌SP株による感染症の予防効果」をテーマに、北海道大学遺伝子病制御研究所の宮崎忠昭特任教授が登壇。以下にて、宮崎特任教授が説明した情報をまとめて紹介する。
■「ガセリ菌SP株による感染症の予防効果」(発表者:宮崎忠昭特任教授)
・ガセリ菌SP株には以下の健康増進作用がある
「感染予防効果」(インフルエンザウイルスなどの感染防御)
「免疫力増強効果」(lgA抗体産生増強)
「内臓脂肪蓄積抑制効果」(抗メタボリックシンドローム)
「調整作用」
「抗ストレス作用」
・感染予防効果の研究結果
インフルエンザウイルスに感染したマウスに、
ガセリ菌SP株を投与したところ、ウイルス感染後の
マウスの生存率が上昇した
・免疫力増強効果の研究結果
ガセリ菌SP株は、樹状細胞(免疫の司令塔)を活性化し、
IgA抗体の産生を促進する
※ IgA(免疫グロブリンA)とは、免疫をつかさどるタンパク質のひとつ。
粘膜に存在し、病原菌やウィルスの感染を防御し、消化管と呼吸器での
免疫系の最前線で働いている生体防御タンパク質。
このほか、ガセリ菌SP株を取り込んだ免疫細胞(マクロファージ)が活性化し、増殖していく様子を記録した映像が初公開された。