ダイエット食品分野での特許牽制力ランキング上位にP&G、ネスレ、ユニリーバ…パテント・リザルト調べ

ダイエット食品分野 国際調査における特許牽制力ランキング 上位10社
パテント・リザルトは、世界のダイエット関連技術全般について、国際調査報告(ISR:International Search Report)に先行技術として引用された件数を企業ごとに集計した「ダイエット食品分野 国際調査における特許牽制力ランキング」をまとめた。

今回の調査では、欧州特許庁が提供するデータベースである「DOCDB(document database)」を用い、国際特許分類(IPC)として「A23L1/307」が付与されている出願を「ダイエット食品分野」と定義し、2014年6月末までに世界各国で出願された15,919件のうち、WIPOのサーチレポートに引用された1,971件を対象に集計し、その結果、1位がPROCTER & GAMBLE(P&G)、2位NUTRICIA、3位NESTLEの順となった。

1位のP&Gは、2位以下と大きく差をつけており、権利化する上で阻害要因となる特許を多く保有していることが伺える。最も多く引用されている特許は、低カロリーの清涼飲料に関する技術である(US5433965)。米国においてすでに権利失効となっているが、FRISUN(アメリカ)やFIRMENICH(スイス)などによる後発の出願16件に引用されている。企業別にはUNILIVERの出願に多く引用されている。

2位NUTRICIAの最も引用されている特許は「NUTRITIONAL COMPOSITION WITH PROBIOTICS(WO2006091103)」で、NESTLEや徳島大学など25件の後発の出願に引用されている。企業別には、NESTLEの出願に最も多く引用されているほか、MCNEIL NUTRITIONALS(アメリカ)やUNILEVERなどの出願にも比較的多く引用されている。

3位のNESTLEはDANONE(ドイツ)やDANONEグループのNUTRICIA(オランダ)、FRIESLAND BRANDS(オランダ)などの出願に多く引用されている。日本企業ではキユーピーの「胡麻含有酸性液状調味料」に関する出願に引用されている。

4位のUNILEVERは脂肪やコレステロールを低減するための食品に多くの出願が見られる。最も多く引用されている相手先企業はP&G。日本企業では、カネカ、味の素などがUNILEVERの出願に対して引用されている。

上位10社にランクインしている日本企業には、7位に味の素、8位に松谷化学工業がある。味の素の最も引用されている特許は、「フラクトース重合体を含有する食物」に関する技術である。アメリカで1991年に出願されたもので、すでに権利失効となっているが、UNILEVERやNOVOZYMESなど5件に引用されている。

また、松谷化学工業はROQUETTE FRERES(フランス)やARCHER-DANIELS-MIDLANDなどの出願に複数の特許が引用されている。
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