8月6日、都内にて『アロエに含まれる新成分の美肌効果に関する研究結果発表』が実施された。
同発表会は、森永乳業が、長年の研究で特定した新美容食品成分「アロエステロール」に関する情報と研究結果を紹介するために行われたもの。
森永乳業によれば、アロエステロールとは、多肉植物「アロエベラ」の葉肉部に存在する特殊な植物ステロール(植物の細胞膜の成分)5種類の混合物で、7.5トン(オスの象1頭分の重さ)のアロエベラの葉から、わずか1gしか取れない貴重な成分だという。
今回の発表会に登壇した3名の専門家たちは、研究結果に基づいた、アロエステロールの特性やスキンケア成分としての可能性などを解説。
一人目の専門家として登場したのは、東北大学大学院農学研究科の池田郁男教授。池田教授は、アロエステロールを2型糖尿病モデルマウスに投与して、血糖値上昇の予防効果が判明したことや、アロエステロールを食べると、小腸から吸収され、血液(血漿)を経由して皮膚に到達する考えを発表した。
続いて講演を行ったのは、日本形成外科学会認定医で、美容外科クリニック「松倉 HEBE DAIKANYAMA」の院長でもある、草野貴子氏。草野氏は、皮膚の真皮層に「コラーゲン(肌の弾力維持に重要)」「ヒアルロン酸(肌の潤いを保つ)」「エラスチン(コラーゲンをつなぎとめて肌の弾力を維持)」があり、これらを生成する「線維芽細胞」が、肌のハリと潤いを保つ鍵になっていることを説明。
また、草野氏は、線維芽細胞が年齢とともに老化し、コラーゲンやヒアルロン酸が減少して、肌の力が衰えていくことにも触れ、「35歳を過ぎたら、化粧品などによる外側からのスキンケアだけでは足りなくなり、食事や機能性食品などを摂取して、内側からケアすることが必要です」と語ったあと、「アロエステロールの摂取は、線維芽細胞に直接働きかけ、コラーゲンとヒアルロン酸の産生を促す、内側からのスキンケア方法として期待できます」と話していた。
発表会の最後には、森永乳業 食品基盤研究所 素材機能研究部 主任研究員の田中美順氏が、アロエステロールのヒト肌試験結果を公表。田中氏によれば、肌の保湿やシワの改善、線維芽細胞でのコラーゲンとヒアルロン酸の生成量の増加など、アロエステロールの摂取で、さまざまな肌の悩みをサポートする結果が得られたため、今後、森永乳業は、アロエステロールを配合した商品開発を進めていくという。
目次