6月22日、都内にて『飲んで健やかに“いのちの水”プロジェクト 熱中症・脱水予防講座』が開催された。
同イベントは、高齢者などを対象に、熱中症や脱水症に関する情報をわかりやすく伝えるために実施されたもの。
今回の講座では、訪問看護師の秋山正子氏(株式会社ケアーズ代表取締役)が制作した講演資料を、看護師の杉本弥生氏(NPO法人白十字在宅ボランティアの会・暮らしの保健室所属)が発表するかたちで行われた。
まず杉本氏は、気温や湿度が高くなる夏場は、熱中症で救急搬送される人が増える傾向にあり、スポーツ時や労働時間中だけでなく、室内で日常生活を送っているときに、熱中症になってしまう人が多いことを説明した。
続けて杉本氏は、小児や成人と比べて、高齢者は体内の水分量が少なく、脱水状態になりやすいことを指摘。とはいえ、暑熱環境下では、誰でも熱中症になってしまう可能性があり、脱水状態が悪化すると死に至る場合もあるため、「熱中症を甘く見ないでくさい!」と強く訴えていた。
そして杉本氏は、「食事をきちんと摂る」「こまめに水分を摂る」「寝る前後、入浴する前後、運動をする前、運動中、運動した後、飲酒後は必ず水分を摂る」「脱水状態のときは、水分と塩分、糖分を一緒に摂る(糖分の摂り過ぎに注意)」ことが、脱水の予防と改善の基本だと紹介した。
また、熱中症が疑われるときは、水分・塩分・糖分がバランスよく配合された経口補水液などを飲み、涼しい場所へ移動して衣類を緩め、体に水をかけたり、濡れタオルをあてて扇いだり、太い血管のある部位(脇の下/首/足の付け根/股の間)を冷やすことが大切で、それでも症状が改善しなければ、すぐに病院へ行くことを勧めていた。
なお、今回の講演資料を制作した訪問看護師の秋山氏が委員として参加している、教えて!「かくれ脱水」委員会のサイトでは、熱中症や脱水症予防に関する詳しい情報が公開されている。
目次