【澤田裕のさいくるくるりん】子育て中のお母さんやお父さん。子ども連れで自転車に乗る前に一読を

自転車ツーキニストの疋田智さんが監修した『おやこで自転車はじめてブック』
2015年7月12日(日) 00時00分 提供元: CYCLE
自転車ツーキニストの疋田智さんが監修した『おやこで自転車はじめてブック』
自転車ツーキニストの疋田智さんが監修した『おやこで自転車はじめてブック』
子ども乗せ自転車としては、電動アシストタイプを勧めている
子ども乗せ自転車としては、電動アシストタイプを勧めている
子どもへの教え方に関して、専門家の指導を仰いでいる
子どもへの教え方に関して、専門家の指導を仰いでいる
小さな子どもは、右や左がわからないというのは盲点だ
小さな子どもは、右や左がわからないというのは盲点だ
子育てが一段落した親に向け、サイクリングを勧めている
子育てが一段落した親に向け、サイクリングを勧めている
この本を企画編集したやまがなおこさん。子育て中のお母さんだ
この本を企画編集したやまがなおこさん。子育て中のお母さんだ

「子育て中の親向けに、自転車本を企画している」と、知り合いの編集者から話を聞いたのは1年以上前のこと。その本がようやく完成し、僕のところにも送られてきました。それが『おやこで自転車はじめてブック 子乗せで走る、こどもに教える』(子どもの未来社)です。

サブタイトルにもあるように、本書は読み手自身がどのように走ればいいかだけでなく、それを子どもにどう伝えればいいのかまで守備範囲としています。どのように走ればいいかも車道の左側という原則を伝えつつ、歩道なら車道寄りをゆっくりという逃げ道を用意。ハードルを上げないように…との配慮が感じられます。そして、「車道を走ろう!」と決意(?)したお母さん(あるいはお父さん)のためには、車道走行時に遭遇しがちなケース(駐停車したクルマの追い越しなど)への対処法を教えてくれます。
さらに子どもへの教え方。僕自身に子どもがいないこともあり、そこに書かれていることは目からウロコです。まず、なるほどと思ったのが、小さな子どもに「右」や「左」と言っても伝わらないということ。本書によると前後は3、4歳でわかるようになるものの、左右は5歳台になってやっとわかってくるそうで、しかも個人差があります。

だから言葉だけでなく、態度で示す必要も。世のお母さんやお父さん、そして幼稚園や保育園の先生や保育士さんは、そんな子どもを相手にしているわけですから頭が下がります。ちなみに僕はけっこうな方向オンチで、今でも建物から出るときなど、自分がどちらに向かったらいいのかがわからなくなります。あっ、関係ありませんね。

【澤田裕のさいくるくるりん 続く】

それから注意するときは「その場ですぐに」ということも知りました。興味関心の対象が次々と移っていく子どもにとって、あとで「さっきは…」なんて言ったところで、もうそんなことは記憶の彼方に消え失せているわけです。

そして、そのときも「クルマ!」「危ない!」ではなく、「前からクルマが来たよ。端に寄って」など具体的な言い方をするよう記されています。ただ、子どもの身に危険が迫ったときは、そんな悠長なことは言ってられません。できるだけ早く気づくよう、親自身が危険を察知する目を持つことも必要なんでしょうね。

乗り方の指導や言葉のかけ方について、それぞれ専門家のアドバイスを受けているところも本書が評価できるところです。自転車にくわしい指導者でも教え方は我流といった例もありますから、そこは「自分自身も含め、自転車のことをよく知らない人が理解できるように」という知り合いの願いが込められているように感じました。
子育てが一段落した親に向け、子どもを乗せた自転車を使ったサイクリングを勧めている点も見逃せません。自転車を単なる生活の足とするのではなく、スポーツとして取り組んだり趣味に生かしたりしてほしいですからね。家族みんなでサイクリングだなんてステキです。

最後に要望を少しだけ。子どもを乗せた親のイラストがすべてお母さんになっていますから、お父さんも登場してほしいというのがひとつ。それから本書を手にとるのはお母さんが圧倒的でしょうから、お父さんが子どもを自転車に乗せて出かけたくなるものを…というのがもうひとつの注文です。監修にあたった疋田智さんもその思いに駆られているだろうということで、本書の続刊を期待します。

《澤田裕》

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