家庭での「食育」に古谷成司先生がアドバイス…夏休み自由研究にも

「手洗いチェッカー」で汚れをチェック
2015年7月16日(木) 22時00分 提供元: リセマム
【ダイエットクラブからのお知らせ】習慣化SNS「マイルール」はじめました!
「手洗いチェッカー」で汚れをチェック
「手洗いチェッカー」で汚れをチェック
座談会のようす
座談会のようす
古谷成司先生
古谷成司先生
座談会のようす
座談会のようす
0時間目は「朝ごはんってなぜ大切なの?」
0時間目は「朝ごはんってなぜ大切なの?」
真剣にコンテンツを見るお母さんたち
真剣にコンテンツを見るお母さんたち
「手洗いチェッカー」に興味津々
「手洗いチェッカー」に興味津々
「手洗いチェッカー」思った以上の汚れに驚く
「手洗いチェッカー」思った以上の汚れに驚く
貸出し教具「手洗いチェッカー」とDVD付き指導案
貸出し教具「手洗いチェッカー」とDVD付き指導案
早ね早おき朝ごはんきろくシート
早ね早おき朝ごはんきろくシート

 文部科学省がスーパー食育スクール事業に取り組むなど、昨今「食育」への関心が高まってきているが、「食育」自体は実は明治時代の料理本にも出てくるという。

 10年前の2005(平成17)年7月には、次世代を担う子どもたちの健全な体と心を育むために、「食」はもっとも重要なものと位置づけられ、「食育基本法」が施行された。最近は小中学校でも授業に取り入れられることが多くなってきている「食育」について、保護者も正しい知識を得て、理解しておく必要があるだろう。

 そこで今回、千葉県富里市教育委員会学校教育課主幹で、NPO法人企業教育研究会理事の古谷成司先生を迎えて、幼児から中学生の子どもをもつ、櫻井さん(仮名・お子さん:中2女子/小4女子)、松田さん(同、小4男子/年長男子)、横山さん(同、小1男子/2歳男子)の3名のお母さん方による座談会を企画した。

 古谷先生はNPO法人企業教育研究会の理事として、日本マクドナルドやNHKエデュケーショナルと共同で「食育の時間」の開発に携わり、自ら「食育の時間」を使った授業を積極的に実施している。

 「食育の時間」は、子どもたちにとって身近で大切な食にまつわる生活習慣や食生活を楽しく学べる、主に学校で使用されるWeb教材だ。イラストやアニメーション、グラフなどが多用されていて、幅広い年齢の子どもたちに理解しやすく、DVD付き指導案や各種ワークシートの無料提供、教具の無料貸出しもあり、教師が授業で活用しやすいよう工夫されている。コンテンツはWebサイトで一般に公開されているため、家庭でも活用が可能だ。

◆そもそも「食育」って?

古谷先生:最近は「食育」に関連する授業が、小中学校だけではなく、幼稚園や保育園などでも行われています。なぜかというと、ライフスタイルの多様化などにより、子どもでも朝ご飯抜き、肥満や過度なダイエットなど、食生活の乱れが顕在化しているためです。子どものうちから食に対する正しい知識を身に付けて、関心をもってもらおうということです。これは、子どものためだけではありません。大人になってもずっと続いていくわけですから、食への関心を高め、自分の体との関係を保ちながら、食の管理をする能力を身に付ける、それが「食育」です。

 お子さんたちの学校では、「食育」に関連した取組みをしていますか。

横山さん:息子が昨年保育園のとき、バランスゴマを使って、自分の食べたものがちゃんとバランスゴマと同じになるかどうかという勉強をしました。

櫻井さん:娘の小学校では毎年1回、親も一緒に受ける「食育」の授業があります。野菜嫌いの子が多いので、ホテルの料理長がラタトゥーユを作ってみんなで食べて作り方を習ったり、出汁に詳しい方が来て出汁を作って飲んでみたりなどしました。ただ、出汁を勉強したときは、味がしないためか不評だったようですが…。

◆学校ではどんな勉強をしている? 「食育の時間」を使った授業

 「食育の時間」は、テーマ別に0~5時間目の時間割で構成されており、教師が児童・生徒たちに最適なコンテンツを選び、授業に利用できる。このコンテンツを使って行われた授業は4,533回、受講した児童・生徒数は約131,268名にものぼる(いずれも2007~2014年末の累計)。

古谷先生:「食育の時間」は、各時間の最初にアニメーションがあって、関心をもたせてからゲームでさらに楽しく学べるようになっています。たとえば「好きなものだけ食べちゃいけないの?」がテーマの1時間目は、朝昼晩のご飯のメニューを選び、判定を受けるというゲームがあり、タンパク質の摂り過ぎだとか、ビタミンが足りないといったことがグラフで見てすぐわかるので、好きなものだけを食べていたら栄養が偏ってしまうことを学べます。

 また、3時間目の「どうしてお腹がへるのかな?」ではカロリーについて学びます。私が実際に6年生に行った授業では、自分たちが食べているものを1週間記録して栄養士さんに摂取カロリーを計算してもらい、さらに1日の生活を分単位で書き出して、基礎代謝と活動エネルギーを計算します。そして,その結果をひとりひとりに手渡しました。やはり,痩せ願望のある女の子は摂取カロリーより消費カロリーの方が多いことがわかりました。

 栄養の専門の先生に摂取カロリーが足りないとどうなるか、逆に大幅に上回ったらどうなるかを説明してもらったところ、子どもたちは手元の自分の数字と見比べることで食を見直し、食への関心が高まったようです。それ以降、痩せ願望の女の子も給食をしっかり食べるようになり、給食の完食率が大幅に上がりました。また、肥満気味の子は運動し始めて野菜をとるようになりました。科学的な根拠を基にしているので、子どもでも納得しやすくきちんと理解してくれます。たった1日の、3時間の授業でも、子どもたちはすごく変わるのです。

◆家庭でもできる食育…お母さんの悩みに先生がアドバイス

横山さん:小1の息子は朝がとにかく弱いです。朝食でなるべくいろいろ食べさせたいのですが、好きな物を食べるのがやっとです。それでも、食べないよりはよいのかと思っていますが。

古谷先生:朝がダメだという子は、睡眠時間が足りていないことが多いですね。睡眠時間は子どもでも個人差があるので一概に何時間必要とはいえないものの、一番覚醒するはずの朝10時頃にあくびをしている子は睡眠が足りないといえます。朝がダメだという子には、もう少し睡眠時間が必要なのかもしれません。この「食育の時間」(0時間目)を見せると、夜はしっかりと寝て、朝ごはんを食べることの大切さを理解してくれます。

櫻井さん:うちは朝ごはんを食べる時間がなく、食べないよりはましと思ってチョコを持たせることがあります。血糖値のことを考えると、最悪チョコでもよいのでしょうか。

古谷先生:子どもには1日2,000~2,500kcalが必要で、給食は約700kcalです。朝に甘いものだけを食べると、カロリーはよくてもバランスが悪くなってしまいます。ただ、何もないよりはいいだろうと、実は私も思っていました。

 ニンテンドーDSのソフト「脳トレ」の作者、川島隆太さんが日本食育学会で発表された研究によると、朝食で炭水化物だけ摂った人と、バランスよく摂った人の脳の血流を測ると違いが明らかで、バランスよく摂ったほうが断然よかったそうです。脳には必須のブドウ糖の吸収の関係だと思われます。やはり糖だけではダメなんですね。

 もうひとつの問題は、朝ごはんを食べないと体内温度が上がってきません。食べて咀嚼することで唾液が出て、胃も動き、体温が上がります。体温が上がっていないと勉強や運動がしづらいのです。そういったことを「食育の時間」を使って科学的に根拠を示し、子どもたちが理解できれば、少しずつでも改善しようとするようになります。

平井さん:うちは2人とも起きてすぐにしっかり食べます。食べないと何もできないというタイプです。私は落ち着いてから食べたいので、朝食は子どもたちだけで食べていますが、家族みんなで食べるというのも大事ですよね。

古谷先生:はい、大事です。みんなで食べないと食が進まないですよね。そこで「食育の時間」の5時間目で個食の問題を取り上げているのですが、個々の家庭の事情が違うため、なかなか難しい問題です。

櫻井さん:上の娘は中学生になって太ることが気になるのか、豚肉の脂身を残すようになりました。それを見て、下の子も真似して残すようになってしまいました。女子の痩せたい願望と食べさせたいという親心、どう対応していけばよいか悩んでいます。

古谷先生:摂取するカロリーと消費するカロリーを調べると、女の子の場合、消費カロリーのほうが上回っている場合があります。生きていくために最低限必要なエネルギーである基礎代謝と運動などの活動エネルギー、プラス、子どもには成長するためのエネルギーが必要です。人間の体は、たとえばカルシウムが足りないと骨を溶かして血中のカルシウム濃度を維持するようになっています。つまり、自分の身を削ってバランスを保とうとするのです。子どものダイエットは、大人になってから骨粗しょう症になるなど影響が出てきます。20歳までで人間の体は完成しますから、それまではきちんと食を管理して体作りをしていくことが大事です。

横山さん:おやつについては、どうお考えですか。

古谷先生:おやつはあくまでも補食です。炭水化物はまだいいのですが、脂物はどうでしょうか。最近の校外学習の食事はバイキング形式が多く、揚げ物などがあっという間になくなってしまうようですね。また、市販のお菓子は塩分が高いものも多いですし、ジュースは糖分が驚くほど多く含まれています。おやつはよく考えて与えるようにしたいですね。

◆夏休みの自由研究にもお勧めな「食育」

平井さん:食育といっても、何から始めたらいいかがわかりません。

古谷先生:食育の題材は、周りにいくらでも転がっていて、決まったことをしなければいけないというものではありません。「食育の時間」のコンテンツを利用してもよいし、日常の中で食を通していろいろなことに関心を高めてくれればいいと思っています。

 先ほど、出汁が話題になりましたが、私も塩分の授業で出汁を使ったことがあります。熱中症で倒れる子が多くなってきていて、水分と塩分も摂りましょうと盛んに言われるのに、保健の教科書には塩分の摂り過ぎで高血圧になる、生活習慣病になるといったことが書いてあります。子どもには塩分を摂ったほうがいいのか、摂らないほうがいいのかがわかりません。

 そもそも“塩分ってなんだろう?”というところから、熱中症や生活習慣病の仕組みなどを図解しながら教え、最終的に栄養士さんに出汁汁を作ってもらって飲ませました。ただし、出汁だけでは味がしないのでちょっと塩を入れ、出汁を使うと少しの味付けで美味しくなるから、塩分を摂り過ぎることはないんだよと教えました。

 そんな具合に、お母さんたちも、日頃からできるだけ食に関する情報に触れるようにして、ちょっとした知識を教えてあげればよいと思います。

 夏休みには、さまざまなイベントが開催され、食に関するものもありますので、親子で参加してみてはいかがでしょう。

 それこそ、いろいろな食べ物を使って出汁をとってみるとか、理科の実験にもなりますが、果物や野菜に銅板と亜鉛板を刺して野菜電池を作ってみるとか、ご家庭で手軽にできることでもさまざまなことが考えられますね。その中で何か、お母さんが知っている情報を与えていけばよいのではないでしょうか。

お母さん方:ありがとうございました。

 日本マクドナルドがコンテンツ「食育の時間」を開発・配信したのは2005年。その後も2008年に朝食の大切さを学べる“0時間目”を、さらに10周年を迎えた今年、「スポーツ食育」を題材にしたコンテンツを新たに追加するなど、食を扱う企業の責務として、子どもたちの健全な育成を願って、継続して食育支援活動に取り組んでいる。

 今回出席のお母さんたちは、同社がこうした取組みをしていることは知らなかったとのことだが、この座談会で「食育の時間」の内容にも興味をもたれたようで、子どもたちの反響も高いという貸出し教具「手洗いチェッカー」(4時間目「私たちの食べ物は大丈夫?」で使用)を実際に試してみたときには、目に見える汚れに驚き、手洗いが必要なことはもちろん、洗い方にも気を付けなければならないことを実感されたようだ。

 この夏休み、大人でも楽しく学べる「食育の時間」を使って、お子さんとともに「食」について考えてみてはいかがだろうか。0時間目で作れる「早ね早おき朝ごはんきろくシート」で毎日記録していくだけでも、乱れがちな夏休み中の生活習慣を正すきっかけになるのではないだろうか。

《鈴木良子@リセマム》

関連記事