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個人の健康診断結果に合わせた情報発信……KenCoM

DeSCヘルスケア株式会社でソリューション企画部 部長を務める齊藤正朗氏
2015年10月22日(木) 13時00分 提供元: HANJO HANJO
DeSCヘルスケア株式会社でソリューション企画部 部長を務める齊藤正朗氏
DeSCヘルスケア株式会社でソリューション企画部 部長を務める齊藤正朗氏
KenCoMのレコメンド情報の例。検診結果によって、情報を細かくパーソナライズしている
KenCoMのレコメンド情報の例。検診結果によって、情報を細かくパーソナライズしている
的確かつ自然なレコメンドやアドバイスによって、気づき、行動変容のサイクルをめざすKenCoMのサービス
的確かつ自然なレコメンドやアドバイスによって、気づき、行動変容のサイクルをめざすKenCoMのサービス

 『グノシー』や『Antenna』など、個人に特化した情報を提供するキュレーションメディア。これを“健康”をキーワードに展開しているサービスがある。オープンしたのは15年5月。提供は住友商事とDeNAによるジョイントベンチャー「DeSCヘルスケア」。健康保険組合からの委託業務として、保険加入者に情報を提供しているのが、健康リコメンデーションメディアを自称する『KenCoM』だ。

■健康診断のABCD判定に合わせた情報発信
 KenCoMの最大の特徴は、健康保険組合の保健事業として展開していることにある。保険加入者の健康増進を支援するために、月間200本近くのコンテンツを制作。その内容は病気や食事、運動、子育てなど多岐にわたり、生活改善を啓蒙するものもあれば、読み物や実用情報といった周辺情報も網羅されている。

 これらの情報をパーソナライズした形で配信するため、KenCoMには健康保健組合から保険加入者の健康診断結果が提供されている。その内容は、いわゆる健康診断の結果として加入者に郵送されてくるものと同じで、血圧、血糖値、脂質、肝機能、腎機能、尿酸、貧血といった内容。これを元にして、例えば健康リスクが高い利用者には、「慢性心不全とは?」といった疾患啓発のコンテンツが配信される。

 なお、リコメンドは性別や年齢などによっても行われ、男性には育毛や口臭、女性には美容や子育てなどにちなんだ健康周辺情報も併せて提供される仕組みだ。中には、小説的な読み物やユーモラスなものもあり、保険加入者は楽しく記事を読みながら、健康への意識を高められる。

 その一方で、提供された健康診断の結果を分かりやすくデータベース化するのも、KenCoMの役目の一つだ。これによって保険加入者はホームページ、またはスマホのアプリから健診結果をいつでも確認できる。そこでは各種検査の値がグラフ化され、ABCD判定の結果に紐づけて、その詳細やリスクも案内される。予防と改善の方法、実際の治療法、対応する病院の専門科なども表示されるので、疾患の疑いがあればすぐにでも対処が可能だ。

 なお、サービスを手掛けるDeSCヘルスケア株式会社でソリューション企画部 部長を務める齊藤正朗氏によると、この機能は医療費の削減を目的の一つにしているとのこと。提供される情報には、もし重症化した場合に1日あたりで必要となる医療費の平均が含まれるほか、保険加入者の通院ログも記録。どのような診療区分で、どこの診療所で、いくら払ったかが家計簿のようにリスト化され、医療費控除の対象となる可能性があれば通知も表示される。

「将来的には健康診断の各種結果を、健康保険組合内の他の加入者、さらには事業所や事業部の平均結果と比較できるような仕組みも作りたいと思います。こうして、健康改善への意欲を促進することで、医療費を抑えることがKenCoMの大きな目的の一つです」

■企業と共同で健康経営の促進も目指す

 今KenCoMは健康保険組合にとって、保険加入者との新たなコミュニケーション基盤としての役割が期待されている。組合にとって保健事業は大きな使命の一つだが、実際には保険加入者への影響力は決して強くない。また、健康改善を啓蒙しようとしても、その手段はホームページで告知するか、ダイレクトメールを送るしかなかった。

 しかし、KenCoMではより保険加入者にマッチした形で、健康改善に向けた情報が発信できる。さらに、サイトやアプリ内には、健康保険組合からのお知らせを表示するコーナーも用意。健康診断の受診案内、予防接種の告知、医療費の控除といった案内も行われる。現在は一律配信される仕組みだが、こちらも将来的には年齢や健康診断結果からリコメンドした内容を配信していく計画だ。

「健康診断で再検査の通知があっても、通院しない人は少なくありません。ですが、KenCoMならレセプト(診療報酬明細書)を元に再検査をしてない人に通知を行うことで、受診率を高めるような仕組みも作れると考えています」

 こうした受診率の問題は健康保険組合だけでなく、健康経営を訴える企業にとっても悩みの種だ。そんな両者と共同して、KenCoMでは保健加入者にサービスの利用を訴える取り組みを行っている。具体的には健康保険組合や企業と一緒に販促物を作る、業務メールの一環として登録の案内を出すといったもの。健康意識の底上げを目的として、サービスの普及を三者共同で行っている。

 その一方で、健康に資する企業と組んで進めているのが、業界におけるビジネスモデルの改革だ。多くの健康保険組合が赤字に苦しむ中、医療費を下げるためのテコ入りをしようにも、その予算が思うように取れないでいる。そこで、KenCoMでは食品、製薬、ウェアラブルデバイスなどのメーカーや、フィットネスクラブなどの健康啓蒙コンテンツを活用、診断結果からマッチングした保険加入者に情報提供を行い、より利用者目線で健康増進に資する取り組みを行おうとしている。

「弊社では協賛モデルと呼んでいますが、これを進めてサイト内のポイントインセンティブ等の原資や、割引クーポンなどを、一部協賛企業に肩代わりして頂けないかと考えています。こうすることにより利用者目線で更なる活性化が図れ、保険加入者の健康維持・増進が図れるのではないかと考えています。」

■健康情報がいつでもスマホで確認できる未来

 経済団体や保険者、自治体、医療関係団体等民間組織で構成される「日本健康会議」では、今年7月に「健康なまち・職場づくり宣言2020」を発表。そのうちの一つとして「加入者自身の健康・医療情報を本人に分かりやすく提供する保険者を原則100%とする。その際、情報通信技術(ICT)等の活用を図る」が挙げられている。

 今後、健康保険組合では保険加入者の健康情報をオンラインで管理するのが主流となるだろう。その情報を元にリコメンドした健康情報を発信するKenCoMは、大きなポジションを占めることになるかもしれない。

※取材先の指摘により追記・修正を行いました(2015年10月22日)※

《丸田鉄平/H14》
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