保存食を見直そう!その「梅干し・らっきょう」

保存食を見直そう!その「梅干し・らっきょう」
2019年6月18日(火) 18時00分 提供元: 食育ずかん
保存食を見直そう!その「梅干し・らっきょう」
保存食を見直そう!その「梅干し・らっきょう」

漬物というとぬか漬けのイメージが強いですが、酢漬けや塩漬けも立派な漬物です。
今回はその代表的な食品である、らっきょうと梅干しについてのお話です。
【代用品でも好相性!】
いつのころからか、カレーと切っても切り離せない関係になったらっきょう。
カレーとの出会いは諸説ありますが、目的はカレーの箸休めにさっぱりしたものが求められたからだとされています。
確かに、とろっとした欧風カレーには普通のぬか漬けよりも、酢漬けのさっぱりした味の方が合いますよね。
西洋ではピクルスがその役目を担いましたが、当時の日本で酢漬けといえばらっきょうだったのですね。
今ではカレーのとき以外ではなかなか見かけなくなってしまった感のあるらっきょうですが、もともとは薬草として中国から伝わった植物の一種です。
漢字では「辣韮」と書くので、なんとなく中国生まれの雰囲気が感じられますね。
【捨てちゃう前に活用してみよう!】
薬効を期待された植物なので、体によい効果をもたらす栄養素が含まれています。
特に、水溶性食物繊維が豊富なので、腸内環境の改善に役立ちます。
また、硫化アリルという辛味成分がビタミンB1の吸収を助けるので、豚肉や豆類などの付け合わせとして食べると、疲労回復を助ける効果が期待できます。
らっきょうにはそれ以外にも、余分なナトリウムを排出させるカリウムや、皮膚や粘膜の健康を保つビタミンB6などが含まれています。
ただし、これらの栄養素は水溶性のため、らっきょうを漬けた甘酢の方に溶け出してしまいます。
だからといって、らっきょうのにおいが染みついた甘酢はドリンクとして飲めるような味ではありません。
そのため、甘酢は捨ててしまうことの方が多いのではないでしょうか?
一粒なら栄養素も微々たる量ですが、甘酢漬けはらっきょうをたくさん使うのが一般的です。
なんだかとてももったいない気分になりますよね…。
そんなときは、ほかの香味野菜と一緒に使う料理で使用するのがおススメです。
例えば南蛮漬けなど、玉ねぎや長ねぎを使う料理だと、らっきょうの香りが気になりません。
甘酢なので酢のキツい酸味は抑えられていますし、魚や肉の臭みをらっきょうの香りが抑えてくれます。
ドレッシングの材料として使うのも選択肢のひとつとしてありですね。





【梅干し=保存食…ではなくなった?】
日本には梅にまつわる慣用句がたくさんあり、日々の生活に密接に関わってきた食べ物のひとつです。
昔ながらの梅干しは大量の塩に漬け込むので、塩分が20%を超えることも珍しくありませんでした。
現代で主流の梅干しは大体10%前後(梅干し、ではなく調味梅干しや調味梅漬けという表記になっています)と考えると、その差は歴然ですね。
これでは「塩辛くて食べられないのでは?」と思ってしまいますが、塩梅(あんばい)という言葉の由来にもなったように、梅干しは調味料のひとつとして扱われていました。
おかずとして普及するようになったのは江戸時代に入ってからと、かなり時代が進んでからになります。
そんな昔ながらの梅干しは、常温で数年は保存できることが大きなメリットです。
塩分量が高く、防腐効果もあるため、菌が繁殖できないのですね。
逆に、調味系の梅干しは保存性が悪くなっているので、冷蔵保存しなければならない食品です。
塩分の少ないものでは冷蔵していても3ヵ月程度の賞味期限しかないことがあり、保存食というにはいささか無理がある状態。
当然、防腐効果は期待できないので、おにぎりなどに混ぜ込むのなら昔ながらの梅干しを使う方がよいかもしれません。
おいしい食べ物にあふれた現代は、保存食を食べる機会そのものが少なくなりました。
ですが、らっきょうも梅干しも、独自の風味を持った伝統的な食べ物です。
上手に料理に取り入れたいですね。
Text by はむこ/食育インストラクター

《ShokuikuZukan》

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