




















同イベントは、医学・栄養学や微生物学の有識者、ジャーナリストらが中心となって設立された「水を考えるプロジェクト」による、メディア向けのセミナー。食中毒や熱中症など、水に対する健康問題を例に挙げながら、水の安全性や選び方、活用方法を紹介する講演が行われた。
今回のセミナーに登壇したのは、水を考えるプロジェクトの参画メンバーである、矢野一好氏(公立大学法人首都大学東京客員教授/北里大学の保健学博士)、井上正子氏(医学博士・管理栄養士/日本医療栄養センター所長)、橋本淳司氏(水ジャーナリスト/アクア・コミュニケーター/アクアスフィア橋本淳司事務所代表)の3名。
矢野一好氏は講演の中で、「夏は細菌、冬はウイルスによる食中毒に注意しましょう」と話したあと、「水道水の使い始めは蛇口を開けてしばらく流す。ペットボトル入りの水を利用するときは、『口飲みしない』『飲み切り』を心掛け、少なくとも、当日中には飲み切ることが大切です」と言い、生活者ができる水利用時の注意点を紹介していた。
井上正子氏は、熱中症のメカニズムや対策法をテーマに、「体内の水の含有量と働き」「熱中症を引き起こす条件」「熱中症の発生特徴」などを紹介。室内・屋外を問わず、どこにいても水分補給をすることが熱中症対策のポイントで、1日8回を目安にこまめな水分補給を行い、ウォーキングやジョギングなどの運動を始める前には、汗をかくことを想定して、必ずコップ1杯の水を飲むことを勧めていた。
橋本淳司氏は、水の種類や選び方などを説明。それに加え、水を考えるプロジェクトで実施した「水についての意識実態調査」で、地元県民がおいしいと思う水ランキングと、水の安全性についての意識ランキングで、熊本県が1位を獲得したことを紹介した。
さらに橋本氏は、「熊本市の水道水は100%地下水を利用しているのですが、2010年に熊本地域の井戸水位を計ったら、1989年と比べて平均5メートル水位が下がっていました。地下水位が低下した理由は水田が減ったからです。熊本県では、地下水を増やすために、稲刈りが終わった後の田んぼに水を張る事業を行っており、その費用は、熊本地域の水を使う企業の協力金でまかなわれています。安全な水を次の世代に引き継ぐために、農薬を使わない農業も推奨されています」と話していた。
なお、「水を考えるプロジェクト」のサイトでは、水の種類やイマドキの水事情、水道水や貯水槽が抱える問題に関する情報が公開されている。
