梅雨明け前の7月上旬。街行く人たちのファッションはすっかり「夏モード」となり、半袖姿で涼しげな身なりの人が増えている。
この時期は、肌の露出が増えるため「脱毛」を考える人もいるだろう。市販の脱毛クリームを使用して自宅でケアをするケースもあれど、電車の中吊広告や雑誌で見かける“美容医療サービス(美容クリニック)”の利用を検討する人もいるのではないだろうか。
美容医療とは、人の容姿をより良い状態にする医療分野を指す。「美容整形(形成外科分野)」、「美容皮膚(皮膚科分野)」、「美容内科(内科分野)」の3つの分野があり、専門知識や技術をもつ医師が診察や施術を行っている。
この美容医療を、内科や外科のクリニックと同じようなものと、思っている人は要注意。多くの美容医療は保険適応外であり、費用は全額自己負担となる。また、医師による施術の手法、使用する医療器具や材料などは、担当医師の裁量によるところが大きく、サービスを受ける医療機関によって、大きな差があると言われている。こういった美容医療は以前から行われているが、クリニックの施術が原因で、トラブルが発生しているケースも少なくない。
そういった状況をふまえ、内閣府大臣官房政府広報室が運営する「政府広報オンライン」(最終更新:平成25年7月1日)では、「美容医療サービス」の利用を検討している人に向けて注意を呼び掛けている。
同広報室によると「キレイになりたい」、「かわいくなりたい」という思いで受けたはずの美容医療サービスで、予想外の腫れや痛みなどに苦しめられるトラブルが、20代から30代の女性を中心に、幅広い世代で数多く発生しているという。そこで、美容医療サービスを受ける前に知ってほしいことと、注意点を発表した。
以下では、とくに重要となるポイントを抜粋して紹介する。
1:美容医療サービスってどんなもの?
・専門知識や技術をもつ医師が「レーザー脱毛」や「脂肪吸引」、
「シミ取り」、「二重まぶた手術」などを行う。
・健康保険の適用外。
・サービスを受ける医療機関によって大きな差がある。
・身体的な危害を受けるなどのトラブルが増加傾向。
2:トラブルは増えているの?
・相談件数は平成22年度からの3年間で5千件を超える。
・生命・身体に係わる危害に関連する相談件数も年々増加。
・20代後半から30代前半の女性が多い。
3:どんなトラブルが発生しているの?
・皮膚への施術によるトラブル
脱毛の施術中に痛みがあり、終わったあと腕や足がミミズ腫れに。
腫れが引いたあと、赤く縦に火傷の痕の線が残った。
(平成25年2月発生・女性・20歳代)
・皮下への施術によるトラブル
脂肪吸引の施術前に、術後1か月くらいは腫れると説明があったが、
手術して3か月経っても二の腕が上がらず痛みを感じる。下半身の手術
(を受けるの)が不安になりキャンセルして、クレジットの組み換えを
求めたができないと言われた。
(平成24年5月発生・女性・40歳代)
・切開などの外科的施術によるトラブル
インターネットで二重まぶたの美容整形を検索し、メスを使わない二重施術が
31,500円と広告があった。病院でのカウンセリングで全切開施術を勧められ、
施術を受けて代金42万円をクレジットカードで支払った。翌日、切開痕が裂けて
出血し、腫れて眼が開けられなかった。その後、腫れや出血が続いた。
二重まぶたにはならず、腫れているのでメガネで隠さないと外出できない。
(平成24年3月発生・女性・40歳代)
4:サービスを受ける前の注意点は?
・ホームページや広告などの情報をうのみにしていないか?
厚生労働省が定めた「医療機関ホームページガイドライン」はあるものの、
未だ不適切な表現を行っている医療機関のホームページや広告が
多くみられるので、十分にご注意を。
・医療機関に行く前に、受けたい施術や医療機関の情報をきちんと確認したか?
施術内容を詳しく調べる。担当医師の経歴や専門分野を確認する。
・施術を決める前に、リスクや施術効果についての説明を求める。
施術による副作用や合併症(痛み・出血・腫れ・火傷・神経障害など)が
あり得るか、施術後に状態が安定するまでに要する期間はどのくらいかなど
リスクについて、しっかりと説明を求めることが必要。
自分が「何を」したいのかをしっかりと医師に伝えることが重要。
・その施術は本当に必要か?
初診当日にいきなり施術を勧めたり、当初の予定にはない追加オプションを
勧めたり、より効果があると言って高額な施術を勧められることがある。
本当にその施術を行うのがよいのか、施術方法などが自分の求めるものと
合うのかなどを冷静に自分で判断を。即日施術は絶対に止めましょう。
5:トラブルにあったときの相談先は?
・美容医療サービスをめぐるトラブルにあったときは、一人で悩まず、
早めに最寄りの消費生活センターなどに相談する。
・美容医療サービスは、特定商取引法の適用外となり、クーリング・オフや
中途解約ができない。いったん契約すると、解約や返金が難しいケースが
あるため、契約は慎重に行う。
美容医療によって、今以上の美しさを得られる可能性はあれど、必ずしも望んでいる状態になれる保証はない。美容医療サービスを利用する前に、金銭的な負担と身体的なリスクを背負ってでも、施術を受ける必要があるのか、冷静に考えることが大切だろう。 《ダイエットクラブ編集部》
この時期は、肌の露出が増えるため「脱毛」を考える人もいるだろう。市販の脱毛クリームを使用して自宅でケアをするケースもあれど、電車の中吊広告や雑誌で見かける“美容医療サービス(美容クリニック)”の利用を検討する人もいるのではないだろうか。
美容医療とは、人の容姿をより良い状態にする医療分野を指す。「美容整形(形成外科分野)」、「美容皮膚(皮膚科分野)」、「美容内科(内科分野)」の3つの分野があり、専門知識や技術をもつ医師が診察や施術を行っている。
この美容医療を、内科や外科のクリニックと同じようなものと、思っている人は要注意。多くの美容医療は保険適応外であり、費用は全額自己負担となる。また、医師による施術の手法、使用する医療器具や材料などは、担当医師の裁量によるところが大きく、サービスを受ける医療機関によって、大きな差があると言われている。こういった美容医療は以前から行われているが、クリニックの施術が原因で、トラブルが発生しているケースも少なくない。
そういった状況をふまえ、内閣府大臣官房政府広報室が運営する「政府広報オンライン」(最終更新:平成25年7月1日)では、「美容医療サービス」の利用を検討している人に向けて注意を呼び掛けている。
同広報室によると「キレイになりたい」、「かわいくなりたい」という思いで受けたはずの美容医療サービスで、予想外の腫れや痛みなどに苦しめられるトラブルが、20代から30代の女性を中心に、幅広い世代で数多く発生しているという。そこで、美容医療サービスを受ける前に知ってほしいことと、注意点を発表した。
以下では、とくに重要となるポイントを抜粋して紹介する。
1:美容医療サービスってどんなもの?
・専門知識や技術をもつ医師が「レーザー脱毛」や「脂肪吸引」、
「シミ取り」、「二重まぶた手術」などを行う。
・健康保険の適用外。
・サービスを受ける医療機関によって大きな差がある。
・身体的な危害を受けるなどのトラブルが増加傾向。
2:トラブルは増えているの?
・相談件数は平成22年度からの3年間で5千件を超える。
・生命・身体に係わる危害に関連する相談件数も年々増加。
・20代後半から30代前半の女性が多い。
3:どんなトラブルが発生しているの?
・皮膚への施術によるトラブル
脱毛の施術中に痛みがあり、終わったあと腕や足がミミズ腫れに。
腫れが引いたあと、赤く縦に火傷の痕の線が残った。
(平成25年2月発生・女性・20歳代)
・皮下への施術によるトラブル
脂肪吸引の施術前に、術後1か月くらいは腫れると説明があったが、
手術して3か月経っても二の腕が上がらず痛みを感じる。下半身の手術
(を受けるの)が不安になりキャンセルして、クレジットの組み換えを
求めたができないと言われた。
(平成24年5月発生・女性・40歳代)
・切開などの外科的施術によるトラブル
インターネットで二重まぶたの美容整形を検索し、メスを使わない二重施術が
31,500円と広告があった。病院でのカウンセリングで全切開施術を勧められ、
施術を受けて代金42万円をクレジットカードで支払った。翌日、切開痕が裂けて
出血し、腫れて眼が開けられなかった。その後、腫れや出血が続いた。
二重まぶたにはならず、腫れているのでメガネで隠さないと外出できない。
(平成24年3月発生・女性・40歳代)
4:サービスを受ける前の注意点は?
・ホームページや広告などの情報をうのみにしていないか?
厚生労働省が定めた「医療機関ホームページガイドライン」はあるものの、
未だ不適切な表現を行っている医療機関のホームページや広告が
多くみられるので、十分にご注意を。
・医療機関に行く前に、受けたい施術や医療機関の情報をきちんと確認したか?
施術内容を詳しく調べる。担当医師の経歴や専門分野を確認する。
・施術を決める前に、リスクや施術効果についての説明を求める。
施術による副作用や合併症(痛み・出血・腫れ・火傷・神経障害など)が
あり得るか、施術後に状態が安定するまでに要する期間はどのくらいかなど
リスクについて、しっかりと説明を求めることが必要。
自分が「何を」したいのかをしっかりと医師に伝えることが重要。
・その施術は本当に必要か?
初診当日にいきなり施術を勧めたり、当初の予定にはない追加オプションを
勧めたり、より効果があると言って高額な施術を勧められることがある。
本当にその施術を行うのがよいのか、施術方法などが自分の求めるものと
合うのかなどを冷静に自分で判断を。即日施術は絶対に止めましょう。
5:トラブルにあったときの相談先は?
・美容医療サービスをめぐるトラブルにあったときは、一人で悩まず、
早めに最寄りの消費生活センターなどに相談する。
・美容医療サービスは、特定商取引法の適用外となり、クーリング・オフや
中途解約ができない。いったん契約すると、解約や返金が難しいケースが
あるため、契約は慎重に行う。
美容医療によって、今以上の美しさを得られる可能性はあれど、必ずしも望んでいる状態になれる保証はない。美容医療サービスを利用する前に、金銭的な負担と身体的なリスクを背負ってでも、施術を受ける必要があるのか、冷静に考えることが大切だろう。 《ダイエットクラブ編集部》