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3歳までが重要! 母親から子どもへの「むし歯」感染と予防法

子どもの歯磨きイメージ 写真提供:Getty Images
2014年6月20日(金) 10時30分
子どもの歯磨きイメージ 写真提供:Getty Images
子どもの歯磨きイメージ 写真提供:Getty Images
日本フィンランドむし歯予防研究会理事、野中歯科 栄養士・歯科衛生士 野中奈佳氏
日本フィンランドむし歯予防研究会理事、野中歯科 栄養士・歯科衛生士 野中奈佳氏
日本フィンランドむし歯予防研究会会長、ベル歯科医院 歯科医師 鈴木彰氏
日本フィンランドむし歯予防研究会会長、ベル歯科医院 歯科医師 鈴木彰氏
日本フィンランドむし歯予防研究会理事、日本歯学センター 歯科医師 田北ユキヒロ氏
日本フィンランドむし歯予防研究会理事、日本歯学センター 歯科医師 田北ユキヒロ氏

 日々の楽しみともいえる食事を味わうには、“むし歯”がない健康な歯を維持することが大切になってくる。しかしながら、「これまでに一度も、むし歯になったことがない」という人は、ほとんどいないのではないだろうか。

 できることなら、むし歯と無縁の生活を送りたいものだが、むし歯の原因となる「ミュータンス菌」は、乳幼児期における母親からの母子伝播(でんぱ)や他の家族からの感染が多いとされ、また、口の中から完全に死滅させることも不可能だといわれている。

 ミュータンス菌をゼロできないからこそ、乳幼児期から、菌の増殖を抑えたり、減らしたりする「むし歯の感染コントロール」が必要になるのはわかるが、いつから、何をすればよいのか、きちんと知らない人は意外と多いのかもしれない。

 そこで、日本フィンランドむし歯予防研究会理事であり、野中歯科の栄養士・歯科衛生士である野中奈佳氏に「母親から子どもへの感染予防」について、いろいろな視点からお話を伺った。

――親から子どもへの感染でむし歯になるという話がありますが、妊娠期にも赤ちゃんへの感染予防ができるとお聞きしましたが、本当でしょうか?

 本当です。むし歯の主な原因となるミュータンス菌は、親などの口の中から唾液を通して赤ちゃんに感染すると言われます。感染源となる親の口の中のミュータンス菌の数が多いと、赤ちゃんへの感染の機会を増やすことになりますが、妊娠中に親の口の中の環境を良くし、ミュータンス菌の数を減らしておけば、赤ちゃんへの感染の機会を減らしたり、遅らせたりすることができます。

――子どもの頃のむし歯予防が大切だと聞いたことがありますが、特に何歳までの予防が重要というのはありますか?

 永久歯が全部生えそろう目安は12~13歳頃です。生えたての歯はまだ柔らかく、歯の根も完成していないため、15歳くらいまでは特に注意が必要です。本人がしっかりした歯磨きを習得するまでは、仕上げ磨きも大切です。また、スウェーデンでの調査によると、『2歳までにミュータンス菌に感染していない子どもは、4歳時のむし歯の数が0.3本。2歳までにミュータンス菌の感染が確認された子どもは4歳時のむし歯の数が5本になる』という研究もあります。1.5歳から2.5歳の菌が移り住み易い時期に、母親の口の中をきれいにしておくことも、子どもの頃のむし歯予防では大切です。

――歯が生えていない乳児のむし歯を予防するには、具体的にどうすればよいでしょうか?

 歯が生えていない乳児の場合、指や歯ブラシなどでやさしく口の中や周囲に触れて慣れてさせておくと、いざ歯磨きがスタートした時に嫌がらず口を開けてくれることも多いです。また、キシリトールを使用して、親の口の中のミュータンス菌の数を減らしておくと、歯が生えてきた時にミュータンス菌の感染を防ぎやすく、結果としてむし歯を予防できます。

――歯が生えている乳児のむし歯を予防する方法も教えてください。

 歯が生えている乳幼児の場合は、成人と同様に「歯磨き」「フッ素の使用」「歯科医院での定期健診」「食生活の改善」を大きな柱と考えてよいと思います。ただ成人とは違い、本人ではなく保護者が管理をすることになります。むし歯予防先進国と言われるフィンランドでは、むし歯予防のために「乳歯へのキシリトール液の塗布」が実験的に行われているとも聞かれます。キシリトール製品を積極的に取り入れることも、むし歯予防には有効だと思われます。

――親から子どもへの感染でむし歯になることを「母子伝播」と呼ぶようですが、日本人の理解度はどの程度なのでしょうか?

 母子伝播について、雑誌やテレビなどで取り上げられることも多く、ネットでの情報も豊富です。そのため、一度くらい言葉を聞いたことはあるという方も多いのではないでしょうか。最近の妊婦さんや小さな子どもを持つ保護者のむし歯予防への意識は高く、母子伝播について、正しい知識を持っている方も増えています。しかし、社会全体では詳しくはわからない、という程度の認識の方も多いと推測しています。例えば、自宅では母子伝播に注意していたが、祖父母に子どもを預けた際にスプーンを使いまわしていた、なんていうことも聞かれます。『むし歯菌が父親や母親の口から子どもの口へうつるらしい』ことは知っていても、母子伝播を防ぐように、正しく行動するにはまだ時間がかかりそうです。

――最後の質問になりますが、出産後に母子伝播について知る機会はあるのでしょうか?

 現在、母子手帳には『保護者が食べ物を口移しで与えることは、むし歯の原因菌がうつることがあるので避けましょう』と明記されています。地域によって差はありますが、保健所でも『スプーンやコップの使い回しはやめましょう』など母子伝播に関する指導がされている自治体もあるようです。また、母子伝播については、妊婦さん向けの雑誌に掲載されていたり、育児用品を取り扱う店舗にもキシリトール製品が陳列され手に取る機会が増えるなど、母子伝播についての説明書きが載っていることもあります。さまざまな場面で、情報を得る機会も増えています。

――母子伝播をはじめ、妊娠中の母親や乳幼児のむし歯予防に対する具体的な方法がよくわかりました。ありがとうございました。


【回答者プロフィール】
野中 奈佳(のなか なか)
野中歯科 栄養士・歯科衛生士/日本フィンランドむし歯予防研究会理事

【監修者プロフィール】
鈴木 彰(すずき あきら)
ベル歯科医院 歯科医師/日本フィンランドむし歯予防研究会会長

田北 ユキヒロ(たきた ゆきひろ)
日本歯学センター 歯科医師/日本フィンランドむし歯予防研究会理事

《ダイエットクラブ編集部》
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